「国の出先機関を統合し、企画の地方振興局(整備局+農政局+経産局)と実務の地方工務局(整備局+開発局+農政局)へ。地方分権改革推進委員会(丹羽宇一郎委員長)勧告。」
政府の地方分権改革推進委員会(委員長・丹羽宇一郎伊藤忠商事会長)は2008年12月8日、国の出先機関の改革などに関する第2次勧告をまとめ、麻生首相に提出した。政府は勧告を受け、2009年3月末までに政府の統廃合計画を策定する。
出先が手がける事務や権限を自治体に移譲したり、廃止したりすることを通じて、出先の約9万6千人の職員のうち、まず1万人を自治体に移管する。将来的には全体の36%にあたる3万5千人の職員を減らすという目標を掲げた。最初の1万人については、国土交通省地方整備局で直轄国道を担当する職員ら2600人を自治体に移管。また同局の河川の担当者ら3千人を移管。また農林水産省農政局が所管する農林統計や、国交省運輸局の自動車登録などの業務見直しの計3500人減などで削減するとしている。
また、地域出先に「地方振興局」と「地方工務局」を新たに創設し、国土交通省地方整備局など9機関を廃止する。統廃合により、地方自治体への移譲も含めて出先機関の職員約3万5000人の削減を目指すとした。勧告は3年程度の移行期間を設けて、統廃合を実現するよう求めた。東北や北陸などのブロックごとに置かれている地方整備局は計8局あり、北海道開発局とあわせると、地方振興局や工務局は9局程度設けられる可能性が高いが、数については言及しなかった。
地方工務局には、国土交通省地方整備局、北海道開発局と農林水産省地方農政局の公共事業執行部門を統合する。地方振興局に統合するのは整備局、農政局、北海道開発局のそれぞれ公共事業執行部門以外の部局と、経済産業省経済産業局、国交省地方運輸局、環境省地方環境事務所。
出先機関への監視機能を確保するための仕組みとして、知事、政令市長らをメンバーとして、公共事業の計画などへ意見を述べる振興局、工務局と地元自治体との協議機関「地域振興委員会」の設置も要求した。
勧告では、国の出先機関の約400の事務・権限のうち、116事項について、地方へ移譲するなどの見直しが必要と提言したが、残りの事務は基本的に出先機関に残す。また、地方自治体の仕事を国が法令で細かく規定する「義務付け・枠付け」の廃止・縮小も盛り込み、4076条項を不要とした。
しかしこの第2次勧告については、権限を奪われる中央官庁の抵抗により
廃止の方針から統合方針に舵を切った経緯もあり、また人員削減3万5千人の実効性も曖昧であり、自民党政権と麻生首相のリーダーシップに陰りが見える中、勧告の実効性に疑問がある。
総選挙や政権交代の結果が出てから、あらためて国と地方のありかたの議論の仕切り直しがあるべきと予測する。
(2008.12.9)