第46回衆議院議員選挙で自民党294議席獲得し、民主57、維新54、公明31、みんな18、未来9、共産8。 自公325議席で完全勝利も、今年のエネルギー政策は? 中国や韓国との国際摩擦は2013年にはどうなる? / 2012年9月の反日暴動で逮捕された中国人犯人達の裁判結果と判決処罰はまともだろうか? やはり中国の裁判所も韓国と同じかな?
「自公政権による2013-2017年の日本の運営」
 2012年12月16日の第46回総選挙で自民党が大勝利し、自公の安倍政権発足が決定した。 選挙戦で安倍氏が訴えた自民党の選挙公約は、

 1.大型公共投資と脱デフレで日本経済再生をする

 
2.外交としては米国との同盟強化、韓国・中国に対しては強く対処する
 3.防衛力を高めるために憲法を改正する
。  の3点だ。 

-----------------------------------------------------------------
 このうち、
 
1. についてはすでに日銀総裁にプレッシャーをかけて、インフレ目標2%(これまでは1%目処であり、しかも数値目標ではなかった)を数値目標として日銀に呑ませた模様だ。すでに市場はこれを好感して、ドル円は86円まで弱くなり、東証株価指数は1万円の大台に乗って、経済団体は大喜びしている。 しかし、これには大きな副作用もあることを直視しなければならない。
 じつは、
「大型公共投資と脱デフレ(インフレ誘導)」政策は、日本経済政策の非常に大きな転換になる。詳細は省くが、結論から言うと5-10年後にはこのアベノミックス政策によるバブルが弾け始めて日本は財政破綻状態になる。財政破綻したからと言って日本が潰れるわけではないが、日本国債の価値が大幅低下して年金支払いなどが困難になり、預金・貯蓄の価値もインフレにより大幅に目減りする。
 
かといってこれは悪いことばかりではない。お金が国内で流通するようになり、企業や実際の労働者すなわち若者の収入が増える。 これは資産を持つ高齢者層から、若者層への資産移動がおこることである。単純に言えば高齢者不利、若者有利の世の中になり、その結果として10年後は日本経済が再生することだ。 その再生に至るまでの日本経済混乱過程では、特に都市部の経済弱者や対応しきれない高齢者にとっては結構つらいことになる。 今後は、資産のある高齢者も日本国内の預貯金や年金にばかり頼り過ぎずに、年をとってもできる仕事での収入や、外貨での資産運用なども考えてゆく必要があるかも知れない。
 また、上記の原発エネルギーベストミックスの選定や対中国経済問題をどうするかについても、将来の日本経済再生と大きく関連しており、政府にとって複雑に絡み合った糸をほどくような根気が必要とされる課題である。

------------------------------------------------------------------

 
2. は、安倍政権はこの公約を掲げて選挙を大勝したからにはその方針で対処するだろうが、何と言っても外交問題で相手が居ることでもあり、強硬姿勢を見せながらも絶対多数の安定政権を背景に、日本にとって実利のある落としどころを見つけるのが新政権の腕の見せ所だ。 自民党と連立政権をくむ公明党は対外強硬策には慎重であり、このことは絶対多数の安倍政権としても硬軟両面の外交策を使う言い訳になるので、かえってやりやすいのではないか。
 その意味では、2月の「竹島の日」に首相が出席して韓国を刺激したり、靖国に首相が参拝して中国を刺激したりすることは、自分の手を縛る策でよろしくない。 そのような子供じみた策よりも、米国主導のTPPと中国主導のRCEPの経済協定に関して、どのような形で日本が参加するのが日本の国益になるかについて、早急に国内で意思統一し方針を決定するほうがよほど重要だ。 また、ロシアとの北方領土問題についても、安倍-プーチン政権のうちに何らかの決着を付けて、憂いを無くしておきたいものだ。


 抗日暴動や日本製品不買運動を教唆した中国政府に対しては、安倍政権は焦って首脳会談をしようなどとはゆめゆめ考えず、中国が折れてくるのを待つべきである。 さいわい世界の情勢は日本に同情的になりつつあり、米国の上下両院も米軍の尖閣防衛義務を明言している。 さらに2012年12月には、1950年に中国政府が尖閣諸島は日本の琉球の一部と認めた外交文書も北京で見つかったところである。中国は周辺各国との海洋権益抗争や貿易・経済への政治介入で国際的に孤立しつつある。


 中国のアドバンテージは、中央独裁政府が巨大な貿易利権を持っているというだけだ。 しかし、2010年の尖閣での中国漁船衝突とレアアース禁輸、さらには2012年の抗日暴動教唆は、GNP世界2位になった中国におけるリスク
(政治と経済が未分離であること)を再認識させた。
 このレアアース禁輸処置の結果として、2009年に5万トンの輸出枠を設けて4・5万トンを日本などへ輸出していたレアアースが、2012年には輸出枠3万トンのうち実際の輸出量は1・3万トンになり、レアアース価格も大幅下落してしまった。そんなこんなで、2013年には中国は輸出枠自体を1・5万トンまで減らしたが、それでも輸入先をモンゴルやインド、豪州などに多角化した日本に向けてのレアアース輸出量は2013年は1万トンさえも下回ると見られており、1・5万トンの輸出枠を使い切れるかどうかは疑問だ。 最近ではレアアースが売れないため、困った採掘企業は日本にこっそりダンピング輸出を持ちかけたり、中国政府が安値で買い上げて国内備蓄しているそうだ。
 こうなってくると、中国は近々レアアース禁輸を解いて関税撤廃さえもするに違いないが、中国産の安さに目がくらんでせっかく生産して貰ったモンゴル・インド・豪州のレアアースを日本がもう買わなくなるなんてことは、国際信義からもしてほしくない。
 
同様に太陽光ソーラー発電パネルについても米国や欧州からWTO違反のダンピング容疑をかけられて輸出できなくなり、仕方なく中国政府が大量に買い上げて砂漠などにパネル設置していると聞く。日本のコメ減反・買い上げ備蓄と同じであり、こんな経済政策が長続きするはずがない。 グローバル経済体制に乗って貿易利益を得てきた以上は、禁輸などの措置は長い目で見ると国益に反するということを、今回のレアアース禁輸の失敗で中国政府も学んだのであれば良いが・・・・・。
 
実は、米国もだいぶ以前に世界に対して大豆の禁輸を行ったことがあるが、その結果としてブラジルが世界一の大豆輸出国に育ってしまい、中国などは2012年に契約した米国からの大豆輸入を大量キャンセルしてブラジルからの大豆輸入に乗り換えてしまった。米国はこの事例を学習して、それ以後は農産物の対外禁輸策はとっていない。願わくば、北米で最近大量に産出しているシェールガスについても、米国は対日禁輸策はとらないでほしいものだ。


 日本国内でも経団連会長などが中国貿易利益に目がくらんで安倍政権にプレッシャーをかけてくるだろう。経済界は自分たちの企業利益を考えるのは当然であるが、国際政治には介入すべきでない。 企業の経済利益を重視して下手に尖閣問題で中国に妥協すれば、7月21日の参院選で自民党は大敗するだろう。 
まあGDPで日本を追い越して世界2位になったと有頂天になっている中国に対しては、首脳会談などはせずにしばらくはこのまま放っておくのが正解であろう。 もしも首脳会談をするのならば、ロシアや韓国を優先すべきだ。

 
中国政府も、政治を介入させて外国に警戒心を抱かせ自国経済の足を引っ張ったことについて、「反日デモ暴動で中国政府が民衆を教唆したかのように世界中から見られてしまったが、これはいかにもまずかった」、と内心思っているはずだ。そこで中国政府が2013年にどのような手を打ってくるのかちょっと楽しみでもある。 中国政府は、抗日暴動でスーパーや日本車を破壊した犯人を重く処罰するなり、日本車を中国政府公用車に買い上げるなりを考えてくるだろうか?

 
実は江蘇省江陰市人民法院は、2012年9月の反日デモで日本車13台を破壊し、4万元(約56万円)の被害をもたらして逮捕された男二人に対して、2013年1月16日に故意器物損壊罪でそれぞれ懲役3年9カ月と懲役3年の実刑判決を下した。 中国新聞社が伝えたところによると、被告らは愛国行為とは言わないように指導されて、「犯行は泥酔して覚えていない」と主張したが、裁判官は「愛国であろうとも個人の所有財産を破損すれば厳しく罰せられる」、と宣言したという。
 
いっぽう、広東省広州市の裁判所はこのほど2012年9月に同市内で起きた反日デモで日本料理店を破壊したとして、公共の秩序を乱した罪で逮捕起訴された被告2人に対し、それぞれ拘留4月15日間の有罪判決を言い渡した。2013年2月27日付の中国夕刊紙・羊城晩報によると、2人は在広州日本総領事館が入居するホテル内に他の暴徒と乱入し、ホテル内の日本料理店を襲撃したもの。2人はいずれも4カ月半以上拘束されていたため、既に釈放されたというまた別件で、この中国広東省広州市の裁判所は、昨年9月16日に同市で行われた反日デモで日本車を破壊したとして起訴された男4人に対し、懲役6月の実刑判決を言い渡したと、2013年3月20日付の広州日報が伝えた。 裁判所は「愛国心を示すために過激な行動をとった」と、情状酌量したという。 4人は路上に止めてあった日本車に石を投げ蹴って破壊したが、この日本車は在広州イタリア総領事館所有であり、被害額は約8万8千元。
 また中国広東省珠海市でも、初の反日感情による日系ブランド車破壊をめぐる裁判が2013年3月27日、香洲法院(裁判所)で始まった。3人は2012年9月16日の深夜に他の仲間たちと飲食店でテレビを見ながら酒を飲んでいた。テレビで日本が釣魚島(尖閣諸島)を「国有化」し全国的に反日デモが広がったとのニュースを見て興奮し、日本車を襲撃しようと言い出したが仲間たちは冗談だと受け止めたという。店を離れた3人は路上に停めてあった日本ブランドの乗用車を見つけ、拾った石でガラスを破壊したりボディーに傷つけるなどした。12台の被害総額は1万1000元(約16万6000円)。裁判で被告3人は罪を認めると同時に、「釣魚島事件のため愛国心が刺激され酒を飲んだことで過激な行動をとってしまった。すでに一部の自動車については弁償しており、持ち主の許しも得た」 「過激な行動が国の法律を犯すことになるとは思いもよらなかった。愛国心を表現するとしても法に触れてはならない」 と後悔の念を強調したが、中国広東省珠海市香洲区の裁判所は、懲役7-11月の有罪判決を言い渡した。3被告は罪を認めた。
 また2013年7月、陝西省西安市の裁判所は、2012年9月に同市内で起きた尖閣諸島(沖縄県)の国有化に抗議する反日デモで日本車に乗っていた中国人男性の頭部を鉄パイプで殴り半身不随のけがを負わせた男に対し、傷害罪などで懲役10年の判決を下した。 このほか同市裁判所は、日本車を破壊したなどとして計11人に対して懲役10月から1年10月の判決を下し、うち10人が実刑処分だった。
 (ふふん、だれかに教え込まれたような反省の弁だな。 日本車13台4万元は3年、日本料理店は4ヶ月、イタリア領事館車8万元は6ヶ月か。イタリアの方も犯人はすでに半年近く拘留されていたから、もうすぐ釈放だな。 江蘇省と広東省とでは愛国に対する裁判官の認識も相当違うし、まったく中国らしいな。 それにしても陝西省西安市などでは反日暴徒に対する判決が遅いが、裁判所は習政権の対日意向の様子見をしていたのだろうな。 本当は、中国政権が抗日暴動を反省しているんだったら、共産党の公用車にトヨタ車やホンダ車を大量採用してみせるのが一番分かりやすいんだが、まあそうもいくまいね・・・・)

 
さらに1月の山口公明党党首の訪中を受けて、中国共産党政府も頃は良しと見たのだろうか、中国各紙に対して「尖閣問題に関する日本報道は淡々と事実を書くことが重要で、いたずらに抗日をあおる記事を掲載しないように」、と1月24日に指示を出した。 ご存じのように中国紙は政府指示には従順である。その翌日から扇動的な反日記事はピタリと見えなくなった。 面白いことにツイッターの書き込みからも反日的な意見が少なくなり、日本と中国が衝突してもお互いに損するだけと言う意見が掲載されるようになった。 中国政府も尖閣で譲歩するわけにはいかないが、「日本も尖閣問題では思ったよりも手強くて、これは解決までには時間がかかりそうだ。 せめて経済的な面での日中互恵関係は修復したいが、それにはまずはマスコミ報道を規制して国民をなだめてから」、と考えたのであろう。 その後も、中国側は村山元首相や加藤元幹事長など、古き良き日中友好時代の人たちを中国に招聘しては環境整備に努めているようだ。


喉元過ぎればすぐ熱さを忘れる日本企業は、「抗日暴動があっても、次回は広東省政府が責任もって日本企業を守ってくれるのか?」、と言質をとっておいたほうがよくね?
  「日中関係悪化の改善をと広東省が日本企業向け投資誘致セミナーを広州市で開催。日系企業140社集まる」 7月29日NHK
 
7月29日追加  現在沿岸部に多くの日系企業が進出している中国南部の広東省は、日中関係の悪化で日本からの投資が減少しないよう、現地の日系企業に広東省内陸部への投資を呼びかける説明会を開き、日本との経済関係をさらに強めたいと強調しました。 この説明会は広東省が開いたもので、広州市内のホテルの会場には現地の日系企業の代表およそ140人が集まりました。
 はじめに広東省対外貿易経済合作庁の担当者があいさつし、「広東省にとって日本の投資は最も重要だ。日系企業と手を携えて協力し、両国が利益を得る関係を期待したい」 と述べ、日本との経済関係をさらに強めたいと強調しました。 このあと、日系企業の少ない広東省内陸部の自治体が、インフラの整備計画などを説明して投資を呼びかけました。
 広東省は、海外からの投資を積極的に受け入れていて、なかでも日本からは、沿岸部を中心におよそ2000社の企業が進出し、去年の投資契約額はおととしより80%増加して先進国の中では最大でした。 広東省が特定の国を対象にした投資説明会を開くのは珍しく、省政府の担当者は、「日中関係の悪化で日系企業が投資に慎重になっているため、説明会を開いた」としています。 参加した日本の金融機関の代表は、「熱意が感じられました。 日中関係が緊迫しているので、日系企業としても、中国地方政府が主催するこうした説明会があると安心します」 と話していました。

------
 ところで、中国には「素直」 や「すみません」 の言葉と考えは無いことをご存じだろうか? 中国人は日本人と顔がよく似ているから、思考も似ていると思いがちだが、それは全く違う。中国人には先輩後輩や長幼の序は無い。どのような場所であれ、納得できなければ自己主張はしっかり行うことが正しいのだ。中国人は欧米人の思考形態と近い。むしろ日本人だけが思考面でもグローバルスタンダードから外れているのかも知れない。
 多くの中国人は自分たちを抑圧する存在として中国共産党政府も大嫌いだが、現在は世界第2位の経済大国になって日本を抜き去った実績に満足しており、さらに共産党政府に逆らえば生活してゆけないので面従腹背している状況だ。 しかし、中国が高度成長できなくなり国民生活を満足させられなくなったら、共産党政府は困った状況になり、再び抗日カードを使って国民を一致団結させたい誘惑に駆られるだろう。


 
日本経済が停滞している間に、中国はWTOに参加し貿易黒字をためて経済的に非常に大きくなったが、共産党指導のもと国家資本主義をとっている矛盾に満ちた国である。しかも国内的に非常に困難な政治的問題、すなわち民族格差や富民貧民の経済格差、都市と農村の環境格差問題を抱え、下手をすれば第2の文化大革命が起きかねない状況である。 これらの問題解決のためには、中国は日本を含む外資を取り入れて無理矢理にでも経済成長させることによって、その果実を周辺の農村部にばらまくしかないことは中国政府にも分かっていよう。
 日本の過去40年間の経済成長の歴史を眺めても、中国では成長が鈍化しながらもそのGDPは今後も増大してゆくことは間違いないし、そもそも経済成長なくては中国共産党そのものが潰れてしまう。その絶対命題の経済成長を続けるために、中国は国家資本主義国家としてグローバル経済に参加しつつ、同時に中国共産党として国内政治の難題を解決してゆくしかない。それが中国の宿命である。
 


 ※ (なお、中国の新聞・マスコミはすべて共産党政府プロパガンダ誌で、記事内容は検閲許可を受けて発行されている。 しかしながら一方では、資本主義原理に基づいて中国政府から販売競争をさせられているという矛盾がある。環球網時報社のように政府直伝の極右論調を張る新聞社から、政府から独立した香港の影響を受けてちょっと反政府的な記事を書くこともある広東省の地方紙などまで、その論説の主張には濃淡があるが、最近では反政府的論陣を張る新聞の方がたくさん売れる。 しかしその反政府も単なるポーズに過ぎず、中国マスコミは基本的に政府主張の宣伝媒体以上のものではなく、民意をくみ上げるパイプにはなっていない。)


-----------------------------------------------------------------------------------

 
3. については、尖閣防衛に関する憲法解釈は早く結論付けて中国に対処する必要があるが、憲法改正論議は2013年夏の参議院選挙の結果を見てからでも遅くはない。その意味では、憲法改正は優先順位は高くない選挙公約だと思える。


       -以上-

2013年1月25日
九州ホーム > 会員トピックス