日本の医療機器、創薬業界を大変革させる 「日本版NIH」 とは? アベノミクス成長戦略3本の矢の一つで、医療分野規制改革の旗頭。
厚労、文部科学、経済産業の3省の研究独立行政法人を統合して、医療産業分野の国立研究開発法人を新規に設立

「2013年4月の政府試案」 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai7/siryou06.pdf

○ 次の取組により、医療分野の研究開発の司令塔機能(「日本版NIH」)を創設するため、所要の法整備を行う。
一.司令塔の本部として、内閣に、総理・担当大臣・関係閣僚からなる推進本部を設置する。

○政治の強力なリーダーシップにより、
①医療分野の研究開発に関する総合戦略を策定し、重点化すべき研究分野とその目標を決定するとともに、
②同戦略の実施のために必要な、各省に計上されている医療分野の研究開発関連予算を一元化し(調整費など)、戦略的・重点的な予算配分を行う。
一.一元的な研究管理の実務を担う中核組織を創設する。
○総合戦略に基づき、個別の研究テーマの選定、研究の進捗管理、事後評価など、国として戦略的に行うべき実用化のための研究を基礎段階から一気通貫で管理し、実務レベルの中核機能を果たす独立行政法人を設置する。

※ 独立行政法人の設置は、スクラップアンドビルド原則に基づき行うこととし、公的部門の肥大化は行わない。
一.研究を臨床につなげるため、国際水準の質の高い臨床研究・治験が確実に実施される仕組みを構築する。
○臨床研究中核病院及び早期・探索的臨床試験拠点において、企業の要求水準を満たすような国際水準の質の高い臨床研究・治験が確実に実施されるよう、所要の措置を講ずる。
○臨床研究・治験の実施状況(対象疾患、実施内容、進捗状況等)を適切に把握するため、知的財産の保護等に十分に留意しつつ、こうした状況を網羅的に俯瞰できるデータベースを構築する。
○民間資金も積極的に活用し、臨床研究・治験機能を高める。以上の三点を有機的・一体的につなげることで、司令塔機能の発揮に万全を期す。



日本版NIH創設で、3省の独立行政法人を統廃合か?
 安倍首相が2013年に打ち出した先端医療研究の新組織「日本版NIH(独立行政法人)」の創設に伴い、類似の研究を行う厚生労働、経済産業、文部科学の3省所管の独立行政法人が統廃合されて内閣府に移行することになる。そのため、権限が縮小される関係各省庁省は気をもんでいる。
 しかし、日本の医療産業技術を高度推進させる日本版NIH創設は、参院選を控えた安倍政権の目玉政策のひとつであり、これを覆すのは至難の業である。関係省庁幹部からは、「もはやこの方向で考えるしかない。 NIH運営の実質の主導権がとれるかどうか」、とため息が漏れる。

 日本版NIHは、米国の政府機関で医療分野の一大研究拠点として知られる国立衛生研究所(NIH)をモデルにした先端医療研究の司令塔とする計画である。 安倍首相が2013年4月19日に発表した成長戦略第1弾の柱となる施策であり、6月にまとまる政府の成長戦略にも盛り込まれる予定となっている。 日本版NIHの拠点は創薬業発祥地の関西・大阪に置くのが妥当、などの外野の声も聞こえてくる。

 厚生労働(厚労)、経済産業(経産)、文部科学(文科)の3省所管の独法が行ってきた医療研究開発を統合し、先端医療研究に関する戦略や予算配分の決定権限は新組織に集中され、内閣府が新組織を監視することになる。
 首相官邸直属の健康・医療戦略室が、統廃合予定の3省の独法業務を、「スクラップ・アンド・ビルド」の原則をもとに現在精査しており、評価を行っている。 統廃合を余儀なくされる3省の幹部は、「実際のところ、日本版NIHが欲しいのは、医療機器や創薬など健康産業業界での許認可に関する権限だ。 統合された国立研究法人組織については、得られた研究成果を医療産業向けに活用してゆくが、医療以外の研究分野を持つ独法もあり、廃止される独法については省庁間での押し付け合いも始まるかも知れない。 日本版NIHは、医療産業分野だけではなく日本の独法全体の統廃合にも繋がってゆく」、と話した。

◇ところで、統廃合が予想される主な独法は以下の通り。
【厚労省所管】 国立健康・栄養研究所、 医薬基盤研究所、 国立がん研究センター。
【文科省所管】 放射線医学総合研究所、 理化学研究所、 科学技術振興機構。
【経産省所管】 産業技術総合研究所、 新エネルギー・産業技術総合開発機構。

-以上-
2013年5月20日
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