★瀬戸内住宅屋根ソーラー太陽光発電と、野立てソーラー発電量測定データ逐次更新(2017年9月現在)

★日本のソーラー太陽光発電装置の累積設置容量は2016年末
42.8Gwに達し、ドイツを抜いて中国に次ぐ世界第2位になったと国際再生可能エネルギー機関REN21が発表。 日本の2017年を通してのソーラー発電量は43000Gwh、すなわち原発9基稼働分に匹敵。
 ちなみに日本の再生可能エネ発電依存度(水力9%含む)は、2017年には15%(うちソーラーは約5%)。 あと13年間でソーラー・風力発電を7ポイント上げれば良いわけだから、2030年再エネ発電依存度22−24%のエネルギーミックス政府目標は達成可能。 今後は風力・ソーラー発電の建設コスト低減化と高性能蓄電池併設の政策を押し進めれば、日本の再エネ発電の展望は明るい。
なおブルムバーグ研究所では、2030年日本では再生可能発電28%、原発10%になるだろう、と2017年6月に予測


ソーラー発電は、3-9月の晴天昼間時間帯では日本全体の依存度2割を超える日も多い。  実際に九州電力管内では、2015年5月5日昼間のソーラー発電依存度が5割に達し、ソーラー発電し過ぎた。 そのときはあわてて火力発電を止めたり揚水蓄電を動かしたりして、九州電力では発電調整が大変だったそうだ。 今後の電力会社は、日照・風力予測能力充実や、政府支援のもとで電線広域連携網の拡充が必要になる。

★日本の原発依存度は2017年現在5基再稼働で5%以下。 再稼働を60年に延長しても、このままでは2020年15%、2025年がピークで17%、2030年14%、2040年13%、2050年には10%を切り、2060年には原発ほぼゼロ、再生可能エネ発電と発電調整できる石炭ガス火力発電だけになる可能性が高い。
よって政府の言う2030年原発依存度20-22%は困難だろう。 政府も無理なく脱原発したいのなら、「原発新設やリプレースは止めて2060年原発ゼロを目指す」 と言えば良い。

★地元同意のとれた原発再稼働は行ってゆくとして、新原発建設やリプレースには莫大な費用(福島事故以後の原発1基新設には事故前の4倍の1兆円以上)がかかる。 補償リスクも大きく、もはや民間電力企業の手に負えず、電力企業は原発建設を引き受けないだろう。 2060年代以降の原発存続が望みなら、政府は電力企業に莫大な融資をして原発新設を頼むしかないが、果たして国民がそれを許すか。
 
もはや原発新設(再稼働はOK)よりも、太陽光・風力発電と蓄電池との組み合わせ利用が日本に向いている。 EV自動車開発の加速により蓄電池は2020年頃には革新的進化を遂げるので、低コスト蓄電池も太陽光風力発電の安定化に活用すべき。

参考資料: エネルギー基本計画の検討委員会 資源エネ庁2017.8.9
         http://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/021/pdf/021_005.pdf
瀬戸内地域の住宅屋根3面に設置した屋根ソーラーパネルの発電
    
      
             住宅屋根ソーラーのひと月ごと単位発電量
(kwh/1kwパネルあたり)
  
  
※実測値データ(2011年9月以降/ 屋根上のパネル向きは東西と南の3面25度勾配で、単結晶パネル。
     発電量は、ひと月平均で104kwh/キロワットパネルあたり、 1年間では1250kwh/キロワットパネルあたり。





2013年スタートの野立てソーラー発電の場合
           
            野立てソーラーのひと月ごとの単位発電量(kwh/1kwパネルあたり)

     ※実測値データ(2013年9月以降/ 野立てのパネルは南向き10度勾配、多結晶パネル。
          平均発電量は、1年間で1150kwh/キロワットパネルあたり。




「屋根ソーラー」

 最初のグラフは、瀬戸内地域での住宅屋根(東西南3面)に設置した、勾配22度の単結晶太陽光ソーラーパネルの単位発電量(1kwパネルあたり)の月変動結果である。 発電状況は現在のところ順調で、年間発電量は1250kwh/1kwパネルあたり、となっている。 屋根ソーラーはこの調子なら6-7年でもとを取れることが分かった。 ソーラーパネルの劣化は今のところ見られず。
 
「野立てソーラー」
 次に、10kmほど離れた場所にある空き地を利用して17.7kwパネルによる野立てソーラー発電を開始した(2013.8.7売電スタート)。 二番目のグラフが野立てソーラーの発電結果である。
 ソーラーメーカーはいずれもサニックス社であるが、住宅屋根用が単結晶パネルであったのに対して、野立てパネルは多結晶パネルである。 野立ては国や県からの補助は一切ないが、全てコミコミ(架台工事費、パネル25年保障、システムの風水雷災害保障10年などもコミ)で、28.5万円/1kwパネルあたり、とリーズナブルであった(盛り土整地費用、フェンス柵作成費用、電力会社への繋ぎ込み費用は別途必要)。 野立て架台に設置したパネルは全て南向きで、勾配は10度である。 発電買上げ価格は39円/kwhであり、こちらも7年くらいでもとが取れそう。
 こちらもソーラーパネルの劣化は今のところ見られず、むしろ発電量が増加している。


発電の比較★
 秋冬春の太陽高度が高くない季節は、やはり屋根のほうが発電効率が1割ほど高い。 一方、5, 6,7,8月の太陽高度が高い季節は、野立ての発電効率が1割弱高かった。パネルの傾斜勾配の差であろう。
 では、単位パネルあたりの年間発電総量はどちらが多いのか? 結果として、屋根ソーラーの1キロワットパネルは年間1250kwh発電し、野立ての1キロワットパネルは1150kwh発電していた。 野立てソーラーは夏には効率的に大量発電してその他の季節の不利を補うが、やはり年間を通すと10度勾配野立てパネルの発電量は少なかった。

 

ご参考までに設備利用率とは設備のフル発電能力に対する稼働発電量の割合のこと
 瀬戸内地域の屋根に取り付けたソーラーパネルは、単純に言うと月に100時間ちょっと年間では1250時間だけフルスペック発電し、あとの時間は休止するとして年間発電量を計算できる。 1年間は8760時間だがそのうち1250時間だけカンカン照りでフルスペック発電し、あとの時間は夜だったり厚雲で全く発電しないとする計算だ。
 原発や火力発電は修理や定期検査以外は年間8760時間昼夜フル能力で発電できる
(実際には原発は13ヶ月毎に2-3ヶ月間の定期検査修理が義務付けられているので、設備利用率は最大でも80%)、 しかしソーラーの場合は発電能力に対して年間8760時間のうち1250時間しかフルスペック能力を発揮できない。 よって、ソーラー発電の全国平均設備利用率は13-15%である  ちなみに各種発電設備の実際の設備利用率は、水力発電50%、 石炭・ガス火力発電80%、 風力発電20-30%、 地熱・バイオマス発電30-80%とされている。 
 
なお、設備稼働率はこれとは異なった定義であり、出力の大小にかかわらず年間稼働時間だけできまるもの。


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 「太陽光ソーラー発電の普及、節電や酷暑対策に有効。 2015年末時点で3千3百万kw容量が稼働中と判明。(2016年末には4千2百万kw容量になる見込みで、年間発電量は原発9基分)

 
2015年末までに日本で累積設置された太陽光ソーラー設備の発電能力(容量)は、33.3Gwすなわち3330万kwに達した(国際再生可能エネルギー機関IRENAが2016年4月に公表した。 2014年と比較して43%増だが日本での普及は頭打ち気味だそうだ)
 
これは2016年のフル発電能力としては原発33基分である。 しかしソーラーは夜間発電しないし冬場は発電量が少なくなるので、年間としては発電能力の13%くらいしか稼働しない(設備利用率13%)。 すなわち夜昼を通しての33.3Gwソーラーの年間実働発電量は原発7基分であり、それでも日本の総発電量の4%を占めるようになった。
 
ところが、夏晴れの昼間(9時−15時)だけ見ると、ソーラーは発電能力の5割以上発揮するのだ。 この時間帯に限ると16Gw(1600万kw)発電している。 すなわち4−9月の晴れ日の昼間に限れば、2016年の日本ではソーラーによって原発16基稼働分の発電が行われており、上述のようにソーラー先進地域の九州電力管内などでは全発電量のうち5割をソーラー発電で占めるような時さえあるのだ。  私の試算では、夏晴れの昼間時間帯に限ればすでに日本全体の電力需要の2割程度がソーラー発電によってまかなわれている。 このソーラー設備の普及が、2年前までとは違って酷暑日にエアコン節電を呼びかけなくなった主因であろう。 そのかわりに最近は太陽が陰る夕方5時以降が日本の電力需要のピークに変わってきている。
 さらにソーラー発電設備のうち、余剰買い取り制度では発電量の4割くらいは自家消費されているので、その分は電力会社では節電量として計算される。 そのようなわけで、電力会社が公表している最近の電気使用量減少にはソーラー普及が大きく貢献している。 ほとんど原発再稼働していない2016年夏の電力需給に電力各社が自信を持っているのは、ソーラーを設置してくれた家庭やメガソーラー企業のおかげ。 電力会社はこれまでソーラーの普及は原発再稼働の妨げと考えて足を引っ張ってきたが、もうそろそろ 「ソーラー設置者のおかげで電気は足りています。酷暑日は遠慮せずエアコンを使って熱中症を防いで下さい」 と呼びかけるべきではなかろうか。

 ひとつの雲がかかったらガクンと出力低下する気まぐれなソーラー発電のために、電力会社は揚水発電を止めたり動かしたり石炭ガス火力発電を点け消ししたりして、出力調整に大層苦心している。 しかし考えてみれば、電力会社は原子力発電技術などよりも配送電調整技術についてこそプロ中のプロのはず
 政府は2020年度までに電力会社の発送電分離を行うそうだが、そのときには発電会社よりも送電会社の方が電力網インフラを持ち安定な送電収入を得ることができるので、送電会社の株価の方が高いことだろう。
 

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 「なぜ原発再稼働か、リプレースはどうなる、核ゴミは? 原発に2割も依存する計画はもう止めた方がよい。 2030年に原発15%、再可エネ30%くらいが妥当な線だ。
2030年に稼働している原発は20基程度であり、原発依存度は15%だろう。 政府目標の20%は無理、それでも電力会社以外は誰も困らない」
2015.8.15

 政府は2030年の原発依存率を20-22%、再生可能エネルギー(水力含む)発電依存を22-24%とすることを2015年に決定した。 2015年の日本の電力需給にはゆとりがあったが、原発再稼働を原子力規制委員会に申請して現在5基が申請認可された(そのうち差し止め裁判などで実際に稼働しているのは2016年段階で川内と伊方の3基のみ)。 電力会社から今後再稼働申請される原発は33基くらいだが、福島第2や柏崎刈羽、浜岡などに対する強い反対運動や、敷地内活断層、原則40年の縛りもあるので、巨額費用を負担してまで2030年に実際に稼働するのは20基くらいであろう。 原発依存度は震災前に28%(52基)だったが、再稼働が20基くらいなので2030年原発依存度15%がやっとだろうと私個人は推測している。

 政府の原発依存度20-22%というのは原発30基程度が再稼働する希望的目標と言うしかないが、なぜこのような達成できないような目標を立てるのか? 目標達成できなかったら誰が責任をとるのか?

 現状で電力に不足がないのに政府はなぜ原発再稼働させたがっているのか? 一部政治家は老朽化した火力発電所を無理して使っているから危ないと言うが、そうなら最新鋭の火力発電所を作ればよいだけだ。 経済産業省が再稼働再稼働と言うから、電力会社も原発廃炉を決断して火力発電所としてリプレースすることをためらっているだけだ。 真の原因は下記にあると思う。
 
その1は、経済界からの要請に応えるためだ。 まず電力会社は莫大な投資をして原発建設したからには、投資回収のためになんとしてでもその原発を限度いっぱい使わなくてはならない。 最低でも60年運転するつもりだったのが運転中止で莫大な損が出ている。 ましてや廃炉となると原発資産は負債に逆転してしまって電力会社は破産しかねない。 電力会社としてはちょっとくらい古くて安全性が低くても、再稼働させてもらわなくっちゃ電力会社は保たないと言うことだろう。 言い分は分かるが、電力会社は国の原発停止命令で莫大な営業損失を被ったのだから、本来ならば電力会社は国を相手取って損害賠償訴訟をするべきであろう。
 
実は需要側で原発が停止して最も困っているのは工場用電気料金の高騰だ。 日本の電気料金は韓国やロシアなどよりも2倍以上高い。 以前は原発で出てくる大量の夜間余剰電気を産業界が安値で買って工場用に使っていた。 これは原発の夜間運転などで生じる余剰電気だから家庭用電気料金と比較して大幅な安値が可能だったのであり、火力や再生可能発電などでは割高になってしまう。 電炉業界に限らず、安い工業用電力がなくてはやって行けない産業も日本には多い。 このことが、工業用電気料金の値下げを切望する経済界が原発再稼働を推進する理由の第一であり、産業用電力の安定供給に責任がある経済産業省(電力業界の元締め)も経済界を無視できない。
 
世間には原発再稼働すれば家庭用電気料金が大幅に下がると単純に思っている人が多いようだが、それは甘い。 なぜなら電力会社はまず第一にフクシマやその他の原発廃炉費用も支払わねばならない。 さらに、電力会社は原発が再稼働してもまずは産業用電力から引き下げるはずで、家庭用電気料金のほうは一番後回しにされる。 経済産業省の許可だけで決まっていた家庭用電気料金は大手電力会社にとってドル箱の収益源だったのだが、売電が自由競争になり原発収益確保の総括原価方式(経済産業省がOKと言えば、原発の必要経費と発電利益をたんまり上乗せできる)が廃止される2020年からは新規参入電力会社との値引き競争になる。 しかしそれでもカモにされていた家庭電気料金が産業用電気料金と比べて割を食う状況は変わらない。

 その2は、東芝などがウエスティングハウスなど世界有数の原発プラント企業を高値で買収して原発建設の世界リーダーになったのは良いが、福島事故のせいで世界中の原発建設が停滞したことである。 ロシアとか中国は原発建設意欲は旺盛だが、自力で建設できるので日本原発企業にはお呼びがかからない。 高値の買収費用を早く回収しなくては、日本の原発関連重厚長大企業は経営不振に陥ってしまう。 そのため経済界は、日本での原発再稼働、リプレースや新設を前提に、フクシマ事故以前よりもちょっとだけ依存度を低めた原発依存度20-22%などという数字をひねり出してきた。 しかし再稼働だけでもすったもんだしているのに、それが解決しても原則40年と決められている原発稼働期間の60年への延長ができなければどうしようもない
(自民党原発推進派議員達は自動的に60年稼働できるよう規制法改正をもくろんだが、2015年8月に改正を断念した)。 さらに原発リプレースや新設などは安倍政権が「現時点では考えていない」と明言しているので2030年までに間に合うはずもなく、60年への延長がなければ日本の原発依存度は10%までも達しない。

 また、問題のもんじゅ高速増殖炉が建設後25年間ほとんど動いていない状況下で、ウラン燃料燃えかすの処理方法や永久保管場所も決められないので、核ゴミは原発立地自治体(原発敷地)で暫定的に保管しているのが実態だ。 経済産業省はさらに「ウラン燃えかすや廃炉ゴミはその原発立地で当分の間保管するしかない」 と言い出す気配だ。 暫定や当分の間のはずが、そのうちに長期間保管が義務になり、原発立地自治体は結局核ゴミ捨て場になってゆく。 原発の新設やリプレースをするならばなおさら核ゴミ捨て場と抱き合わせにさせられる。 そうなると、電力会社が原発リプレースや原発新設を計画しても地元同意が取れず採算も合わないので 「電力企業としては原発の新設に経営メリットはないし責任も取れない。 採算がペイする既存原発の再稼働はやりたいが、原発リプレースや新設については国の直轄事業でやって欲しい」 と言い出すだろう。 そこで困った経済産業省は、「原発電気を高く売れるようにする法律をいろいろ検討していますから」 と電力会社に耳打ちしているらしい。 これまで政府がさんざん言ってきた「原発の発電コストが一番安い」は嘘で、「既存原発を再稼働すれば電力企業の負担コストが一番少なくて済む」のが正しい説明であり、もし国が各種税金補助をしなかったら原発よりも石炭火力発電などの方が電気料金は安い。
 
フクシマ原発事故の損害補償等を9兆円と見積もっていたが、2016年末の政府再試算では21兆円以上かかることが分かった。 おそらく最終的には27兆円くらいかかるだろう。 この試算を見て電事連はもはや電力業界だけでは損害賠償や廃炉費用を負担できないので、税金を投入して原発業界を救って欲しいと国に要請したが、拒否された。 これらのうち、福島第一原発の廃炉費用に関しては結局2017年に東京電力が毎年三千億円を30年間拠出することが決まった。 東電がこの額を捻出するのは、柏崎刈羽や福島第2原発を無理矢理にでも再稼働させない限り無理であろう。 原発の高リスク、高コスト性は尋常でない。

 経済産業省の審議会はエネルギーミックスの策定にあたり、「日本には原発や石炭火力などのベースロード電源が5-6割は必要であり、不安定な再生可能エネルギーには頼れない。」 と言い出した。 実はこれは、”原発は夜間運転の余剰電力が出るからこそ工業用電気を安価・安定供給できる” との意味であり、私に言わせると安全運転のために夜間停止できず無理矢理余剰発電させるしかない不便な原発をベースロード電源と名付けて有難味をつけているだけだ。 電炉業界等がやって行けないのなら税金で企業に電気料金を補助すれば良いだけで、そのためにエネルギーミックス論を歪めるのはおかしい。
 
私としては、2030年時点での原発依存度20%は全く達成不可能と考えている。 再稼働できる原発は再稼働し、40年老朽原発の半分くらいを60年に稼働延長して、20基くらいの稼働で原発依存度15%を保つのが精一杯だろう。
 原発1基再稼働すれば地元に年間300億円くらいお金が落ちるらしいので、地元が原発事故リスクを覚悟して再稼働をどうしてもと希望するのであれば、その原発は再稼働させれば良い。 しかし原発のリプレースや新設については電力会社だけで行うのは困難で、もしやるとすれば国直営で30年かけて各電力会社あたりそれぞれ1基づつ新型原発を建設させてやるしかない。 もちろんそれには核ゴミの最終処理場所も確保しておかねばならない。 最新型の安全性の高い原発の建設費用は従来の数倍かかり採算に合いそうもないが、日本政府がどうしても原発を維持したいと思うならば背に腹は代えられない。 そうしてやっとこさ2050年以降も原発依存度10%を保てるのだが、それほどまでしてやる覚悟が政府にあるのか疑問だ。

 
では電力需給はどうなるのか? 新型大型の高効率コンバインド石炭火力を建設してベースロード電源にするのがコスト的には一番安いし電気料金も安くできる。 昼間の電力需要は、天然ガス発電と揚水発電(揚水蓄電)で出力調整しながら、買上げ値段を低く抑えた太陽光など再生可能エネルギー発電を使えば十分だ。 今後はコストが高い石油火力は日本ではもう全廃すべきだ。 天然ガスと石炭は産出地が分散しているので資源の安定確保ができることも日本にとっては大きい。
 
もっと簡便な方法は、韓国やロシア樺太から海底電線を引いて電気を輸入することだ。 発電事業者を国内に限る正当性はなく、電気料金が半額になるならば喜んで外国産電気を利用する人も多いはずだ。 電気輸入量を全体の2割程度に抑えておけば、政治的な送電差し止めを食らっても日本経済への打撃はないし、核ゴミ処理や地球温暖化二酸化炭素排出問題も日本で考えなくとも済む。 輸入を純粋な経済問題として考えればよいだけだ。 電力会社は配送電料金で儲ければよいのだから、外国からの電気輸入に不満はあるまい。 この課題は経済産業省でも真剣に検討する価値がある。
 ところで戦略思考不足の日本の環境省は石炭火力発電所は二酸化炭素を出すからと建設規制したがっているが、大型の新型石炭火力は従来の石炭火力と比較して二酸化炭素発生量が3割減少する。 さすがにCO2ゼロにはならないが、核ゴミと比べてどちらが本当に環境に良いのか環境省は日本の国益を最優先に考えて、最新鋭の石炭火力の普及を積極推進する義務がある。 付け加えると日本が新型石炭火力発電所を作って途上国に輸出すれば、世界での二酸化炭素発生が削減されるのだ。

 
2030年に原発15%、水力含む再生可能エネルギー発電30%、石炭火力35%、天然ガス20%が日本経済にも悪影響を及ぼさず理想的と考える。 2016年にはすでに水力含む再生可能エネルギー発電依存度は15%に達しており、夏の昼間時間帯限定では太陽光発電だけで1割以上占めている。 太陽光発電は2030年には累積導入量が100GWに達すると予測されており、これは2016年の3倍だ。 そうなると水力含む再生可能エネルギー発電依存度は2030年には30%弱となる。 そのころには太陽光発電コストも大幅に下がって、石炭や原発電気料金と大差無くなる。 真の自前エネルギー資源を活用できて日本にとっては万々歳だ。
 
電力会社はあてにならない老朽原発再稼働にさっさと見切りを付けて、どんどん最新鋭の石炭火力発電所にリプレースしてゆくのが経営的にはリーズナブルと思う。 原発は再稼働しても次々と寿命が来る。国がどうしても原発を維持したければ、国が全責任を持って一定量を新型原発にリプレースしてゆけば、2050年くらいには原発依存度10%くらいで安定させることができるだろう。
 
国や電力会社にそこまで原発をやる覚悟と必要性があるかどうかは疑問だが、もしやるとすれば、原発立地場所から50キロメートル圏内は電気代を半額にするくらいのプレミアムを電力会社は原発近隣住民に付けるくらいのサービスが必要になる。 東京などこれまで原発を持たないで安い電気料金を甘受していたところは、今後は原発再稼働しても電気料金が高くなっても仕方ない。

 そうこうしているうちにパリCOP21二酸化炭素削減に基づき、電力業界としては二酸化炭素フリーの
原発と再可エネ発電によって総電力需要の44%以上をまかなうことを環境省、経産省立ち会いの下で2016年2月に合意した。 両方併せて44%以上というのがミソだ。
 そうであれば前述の原発14%、再可エネ発電30%が実際的な2030年の目標と言うことになって行くのだろう。 再可エネ発電の不安定さや原発定期修理期間の電力不足は、隣接電力管区を電力網で繋ぎ電力融通することによって解決できる。

 そのようなわけで原子力発電に無理やり20%以上も依存させるエネルギーミックスが本当に日本国民にとって良いかどうか、そろそろ国会でも再検証すべきであろう。

 原発再稼働の問題点、NHK解説スタジアム 2016年     
        
https://www.youtube.com/watch?v=pv3pH9e2RpU  を参照のこと
 2005年玄海プルサーマル原発市民意見交換会 推進派と反対派が激論を参照のこと
         https://www.youtube.com/watch?v=O3WBkjUQ-Jw
 地球温暖化パリ合意を受けても原発産業の将来見通しは暗い 2016年4月
         http://webronza.asahi.com/science/articles/2016041000001.html




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九州電力管内のソーラー発電出力制御措置について
                              / 九州電力・能見執行役員
                                 2015/06/03 日経テクノロジーより

(能見執行役員)

 系統WGでは太陽光と風力の合成出力を採用するなど、最終的に九州電力管内の太陽光発電の接続可能量は700万kWから817万kWに増えました。 これが九電の電力系統にとってどれほどのインパクトかは、昼間の軽負荷期であるゴールデンウィークなどに如実に表れます。 
すでに2015年九電管内には約470万kWの太陽光が接続しています。 今年2015年のゴールデンウィーク期間中の5月5日は晴れでした。 当日の昼間の電力需要は約770万kWで、そこに太陽光発電から最大で約370万kWの出力が供給されました。そのため一時的ですが、電力需要量のうち太陽光依存度が48%に達しました。 これに水力も含めると再エネ発電の出力(kW)比率は電力需要量の54%になりました。 夜を含めたその日全体としての供給量(kWh)で見ても再エネ比率は24%まで高まりました。 この数字は、奇しくも政府が先日、公表した2030年のベストミックス案の再エネ比率(22-24%)と同水準です。 九州では一時的にせよ、すでに日本全体の2030年の再エネ比率目標に達しているのです。
 さらに817万kWまで太陽光発電を接続拡大すると、こうした昼間の軽負荷期には需要を超えてしまう可能性があります。 かなりハードルが高い数値です。 そこでこの水準まで接続が増えた場合、系統運用では、以下の五つの前提が必要になります。
 一つ目は、自社の火力発電所による発電を、最小に絞ることです。 石油火力はゼロ、石炭火力も1台だけ残してすべて止めます。 稼働する1台も最小限に出力を絞ります。天然ガス火力も、周波数調整や需給バランス調整のための最低限の運転にとどめます。
 二つ目は、水力発電所のなかでも、ダムなどの貯水が可能な設備は昼間の軽負荷期には止め、太陽光が発電しない夜間に稼働させます。
 三つ目は、蓄電機能を持つ揚水発電を最大限に活用します。 九州電力は8台の揚水発電所があり、定期点検や保守などで常時1台が止まっていることを想定し、7台をフル稼働させ水を汲み上げて電力需要を増やします。
 四つ目は、需要以上に発電して余った電力を、地域間連系線を使って、電力市場に売ります。 これら四つの対策を打ち、それでも電力が余ってしまった場合には、
 
五つ目の最後の手段として、出力抑制(出力制御)を講じることになります。 しかし、遠隔制御の導入、予測精度が向上すれば、出力制御率は今後下がっていくと予想しています。 
 引用は
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20150601/420989/




2016年以降の原発関連情報
原発再稼働状況
 さて、これまで38年稼働してきた出力57万キロワットの加熱水型の伊方1号機が廃炉されることに決まった。 四国電力が60年延長再稼働への設備改修費用が大きすぎると見積もって、2016年3月に廃炉を決定したものだ。
 この廃炉決定を地元伊方自治体は困惑しているがその隣接自治体は喜んでいる。 この炉の改修工事費は1700億円と見積もられている。 稼働による利益は年間100億円だ。 改修工事費借入金の利子を入れると今後20年間稼働させても資金を回収できないのだ。 これが100万キロワット級になると稼働利益は300億円/年に跳ね上がる。 高浜1,2号原発はそれぞれ出力83キロワットなので稼働利益は2基で年間400億円だ。 原発新設に相当する改修工事費2200億円をかけても10年内に工事費を回収できると関西電力では判断したのだろうが、この改修費用のために高浜老朽原発の発電コストはだいぶ高くなるはずだ。
 
稼働30年以上の古い原発は日本に約25基あるが、そのうち廃炉が決まったのは8基で、改修にお金をかけても良いと再稼働申請したのは7基。 そのうち川内1,2号と高浜3,4号が再稼働したが、その後高浜3,4号は大津地裁から稼働差し止めとなっている。 あとの10基の古い原発を再稼働するかどうかは決まっていないが、玄海2号や伊方2号、女川1号機は出力50キロワット級なので高い改修工事費をかければ採算がとりにくい。 福島第2の1,2,3号機は住民感情から廃炉にするしかないだろう。 となると30年稼働してきた老朽原発25基のうち、60年延長して再稼働可能なのは半数に満たない。
 
さて、全原発のうち再稼働申請は最大33基だが、反対運動などもあり実際の稼働は2030年時点で20基程度であろうと私は推測している。 2017年現在、日本で稼働中の原発は川内の2基と伊方の1基の計3基しかない。 2016年8月に伊方原発3号機が再稼働したが、これにより2017年以後の四国管内の電気供給予備率は26%前後になると四国電力は公表した。 それなら四国管区では十分に供給余力があり、伊方3号機の定期修理期間だけ中国電力などから電力融通を受ければよい。 私はもう四国電力は、伊方1.2号機には無駄な金をかけずに廃炉にして、3号機のみを稼働するのが安全性が高まるし、一般家庭の電気料金値下げにも繋がると考える。 せっかく稼働した伊方3号機については、60年稼働に向けて次の設備更新を計画してゆくのが賢明だ。
 原発再稼働に関しては電力労連への気兼ねなのか民進党も腰が引けている。 民進党も日本の将来のエネルギーをどうするべきなのか、また原発安全性をどのように担保すべきかを国会でしっかり議論してもらわねば困る。 2039年に原発ゼロとお題目のように言うだけでなく、その道筋をロードマップで示さないと国民から信用されない。
 最近の原発立地県知事選では、鹿児島に続き新潟でも慎重派の新知事が誕生した。 脱原発依存とは言いながら2030年原発依存度22%を目指したり、原則40年で廃炉と言いながらも原子力規制委員会が認めればOKと老朽化原発の再稼働をズルズル認可する安倍政権に原発立地県民も危機感を抱いたのだろう。
 また、2016年末に政府は高速増殖炉もんじゅの廃炉を閣議決定したが、もんじゅ地元の福井県は納得せず、文部科学大臣はもんじゅ廃炉の責任を取って給与を5ヶ月間返上した。彼以外の歴代文科大臣はなぜ給与返上しないのか不思議だ。 政府は福井県をなだめるために、高速増殖炉もんじゅは廃止しても高速炉のほうは福井県に建設するとか言っているが、こうなるともはやお笑い掛け合い漫才だ。

 
ところで、安倍総理は2017年3月6日の参院予算委員会で野党の質問に対して、「原発再稼働をめぐり、国民的な支持が十分でないことは事実である」 と述べた。 さらに、「国としてはエネルギーを安定的かつ低廉な価格でしっかりと提供し続ける責任がある。 原子力発電についてもエネルギーミックスを構築するにあたり、当面は原発は必要であるということを決定した」 として、今後も当面は原発が必要だという認識を示した。  それならばもうそろそろ当面とは何時までのことなのか、原発を畳むタイムスケジュールを示して国民理解を得る努力を始めるべきであろう。
 まずは安倍首相は、「これまでの原発を畳むために必要な事故賠償費と廃炉・核ゴミ処理費用を捻出するために、何とか一定期間の原発再稼働を認めてほしい。 次に事故が起きれば国が全面的に賠償責任を負う」 と国民にお願いするところから始めるべきだ。 それが決着して始めて原発新設についても議論を始めることが出来る


北朝鮮のミサイル
 韓国が北朝鮮のミサイルに対抗して2017年配備予定のドイツ製ミサイルは、厚さ6mの強化コンクリート壁を貫通爆破できるそうだ。 それならば北朝鮮ミサイルだって厚さ3メートルのコンクリート壁くらいは破壊できるだろう。 日本の原発がどのくらいの厚さの壁で保護されているのか知らないが、一度に複数のミサイルで原発密集地域を狙われてそのうち一発でも当たれば原発は破壊され、その放射能汚染によってその近くの原発に近づけなくなり、連鎖事故となる疑念がぬぐえない。
 原子力規制委員会は新規制によって原発で航空機事故があっても安全と発表したが、北のミサイルに対しては現状の防衛体制では守りきれないだろう。 今度はもう想定外で片付けられては困るのだ。 
その意味で特に福井県のような原発密集地域は、津波でなくとも一旦事故が起きれば事故が連鎖しそうで恐ろしい。 リスクを減らすために、原発密集はできる限り避けて一つの発電所に原発1基に縮小するべきだ。
 
 米国ではトランプが次期大統領になった。 防衛は米国に頼るなとトランプに言われても日本は困らないようにしておく必要がある。 日本には50基弱の原発があるが、それらの原発を北朝鮮からミサイルで狙われて放射能汚染で住めなくなるようなことはもうお断りだ。

     -以上−                                                      2017年も更新中
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