オバマ大統領訪日と世界情勢/日本、韓国、マレーシア、フィリピン歴訪の成果は。 購買力平価(PPP)換算の国内総生産(GDP)で、中国が2014年内に米国を抜いて世界最大の経済大国になる
中国の2014年対日方針は政冷経静
 2014年4月15日、米華字ニュースサイト・多維網は記事 「習近平と安倍晋三、秘密裏に和解を推進=中国は異例にも靖国参拝に大きな反応見せず」 を掲載した。 日本の新藤義孝総務相は4月12日、靖国神社を参拝した。 これまでなら中国側は大々的な批判の論陣を張るところだが、これまでのところ中国外交部の声明はあったものの大きな反応はない。  加えて中国側がたびたび和解打診のシグナルを発していることも注目される。 王毅(ワン・イー)外交部部長は13日、日本が態度を改め過去の共通認識を守るならば直接交渉の道に復帰できるとコメントしている。  実際、日中は和解に向けての秘密交渉を繰り返していると見るべきだろう。 先日、故胡耀邦(フー・ヤオバン)元総書記の長男で、習近平(シー・ジンピン)国家主席と関係の深い胡徳平(フー・ダーピン)氏が日本を訪問、安倍晋三首相と会談した。 中国側は民間人としての訪問だとコメントしたが、密使である可能性は否定していない。
 また中国裁判所は商船三井の70年前の船舶契約不実行のかどで同社鉄鉱石船の差し押さえを行い、商船三井側は日本政府の反対にもかかわらず、商売を円滑に行うために約40億円の罰金を2014年4月に納めた。 中国外務省報道官は、この事案は企業同士の契約問題であり、戦時賠償案件などとは全く異なると強調した。 類似の訴訟と判決が続くと、日本企業の中国撤退が早まるため、中国当局は今後は慎重に類似の訴訟を取り扱うと予測される。

 ところで、超党派の国会議員による日中友好議員連盟(会長・高村正彦自民党副総裁)の訪中団は5月4日、北京の釣魚台国賓館で唐家セン・中日友好協会会長(元外相)と会談した。 唐氏は、「政治関係が厳しい困難な状況での訪中を、我々は重要視し歓迎している」 と述べたうえで、序列3位の張徳江ジャンドォージアン・全国人民代表大会常務委員長が、5月5日に訪中団との会談に応じることを明らかにした。 訪中団には、自民党の高村氏のほか、公明党の北側一雄副代表、民主党の岡田克也元代表、共産党の穀田恵二国会対策委員長らも参加する。 李先念元国家主席の娘で、習近平シージンピン国家主席に近いとされる中国人民対外友好協会の李小林会長らとも、5日に会談する。 中国との交渉は、なかなか簡単ではないだろう。 共産党の対中国見解も注目されるところだ。 (2014年05月04日 The Yomiuri Shimbunより)


日米首脳会談について
 なお4月24日に行われた、TPPに関する日米首脳協議で、フロマン米通商代表部(USTR)代表が実質的な基本合意の内容を発表するかどうかを巡り、米ホワイトハウスとの間で、電話により激論を交わしていたことが5月1日、分かった。 日米交渉筋が明らかにした。交渉筋によると、日米首脳会談に伴う共同声明を発表する直前の2014年4月25日朝、実質合意をアピールしたいホワイトハウス側が、「数字を出さなければ日米協議がつまずいたと報道される」と主張したのに対し、フロマン氏は「数字は外に出すべきでない」と強く反論したという。 TPP交渉に参加する他の国への配慮に加え、米国内の畜産業界への根回しに時間をかけたいとの思惑があったとみられる。 日米協議では、豚肉の関税の扱いが最後まで難航し、政府筋によると、安い肉ほど関税が高くなる「差額関税制度」を維持した上で、基準価格を大幅に下げる方向で決着したとしている。
 結局、米通商代表部(USTR)のフロマン代表は5月1日、環太平洋連携協定(TPP)交渉をめぐる日米協議について、「両国は共に重要な一線を越えた」と述べ、進展を強調した。 上院財政委員会の通商政策に関する公聴会で証言した。 フロマン代表は日米間で懸案の農産物関税と自動車貿易に関し、4月下旬のオバマ大統領訪日によって解決への「道筋を特定した」と指摘。 「協議は合意に至っていないが、合意に向けた節目に到達した」と語った。 

ところで、レコードチャイナでは、2014年4月24日の日米首脳会談のもう一方の主役は中国だったと指摘した。
 振り返って見れば、冷え込んだ日中関係が米国の仲介により融和に向け動き出す契機となる可能性を見いだすこともできそうだ。 日米首脳会談後の共同記者会見で、オバマ大統領は「尖閣諸島は日米安全保障条約5条の適用対象」と明言したが、その一方で、同諸島の領有権問題について「領有権については見解を示さない」と言明、日中双方に中立的な立場を堅持することを強調した。 この発言自体は米国の新たな見解ではない。 注目すべきは次の大統領発言である。「安倍首相との議論において、私が強調したのは、この問題を平和的に解決するということの重要性だ。状況をエスカレートさせるのではなく、発言を抑制し続け、挑発的な行動を避けることだ」。 尖閣諸島は無人島のまま現状維持とすべきだとの主張である。
 この方針は、既に2013年2月の日米首脳会談で、オバマ大統領が安倍首相に強く要求し、この結果、2012年12月の総選挙で自民党が掲げた「公務員常駐」「灯台・船だまり建設」などの公約は、2013年7月の参院選では取り下げられている。 オバマ大統領は会見で続けた。 「どのようにして日本と中国がお互いに協力をしていくことができるかを決めるべきだ。 そして、より大局的な見方をすれば、米国は中国とも強い関係を保っている。 中国はこの地域だけでなく、世界にとって非常に重要な国である。 明らかなことだが、多くの人口を抱え、経済も成長している。 私たちは中国が平和的に台頭することを引き続き、奨励する。 中国とは、貿易や開発、気候変動といった共通の課題で多大な好機が存在している」。
 日本で安倍首相とともに臨んだ記者会見なのに、オバマは異様なほど中国に配慮した発言だ。  さらにオバマは、「私は安倍首相に直接言った。 この問題について、日中間で対話をせずに、事態がエスカレートし続けることは重大な誤りだということだ。 日本と中国は信頼醸成措置を取るべきだ。 日本はできる限りのことを外交的にすべきで、私たちも協力していきたいと思っている」と強調した。 日中関係改善へ日本が率先して動くことを強く促すとともに、米国が仲介する用意があるという宣言である。 これに対し安倍首相も「中国に積極的に対話を働きかける」と約束した。
◆「尖閣戦争」を回避したい米国
 米国が尖閣の現状維持(聖域化)を推奨するのは、尖閣紛争に巻き込まれるのを回避したいためだ。 尖閣諸島をめぐる日中間の対立が長引くことは地域の安全を阻害し、米経済利益への脅威につながると憂慮し、日中両国に「自制」と「尖閣聖域化」を強く求めている。  オバマ大統領に近い米外交筋は、「オバマ大統領が求める尖閣問題の対話による平和的解決を実現するためには、過去40年余と同様、この海域を聖域化するしかない。 1972年の日中国交正常化交渉時に田中首相と周恩来首相が了解し合い、1978年の日中平和友好条約締結時に園田外相とトウ小平副首相が実質合意した尖閣棚上げを今後も継続することで、事態を沈静化させることだ」 と指摘した。 その上で、「中国が領海侵犯などの行為を止める一方で、日本も尖閣諸島への公務員常駐や舟だまり設置など断念し、無人島の尖閣諸島を元に戻すことが先決」 との米オバマ政権の意向を明かした。 さらに 「安倍首相は、高い支持率を維持して国家主義的な政策を推し進めるために、外交軍事的な緊張を利用しようとしているが、これは間違いだ」 とも付け加えた。
 中国も米国の尖閣安保介入に激しく反発したものの、米国の意向を無視することは困難だ。 王毅外相はかねて、「領土主権と海洋権益を巡る争いは、解決させる前に問題を棚上げし、共同開発することが可能だ」 と明言しているくらいだ。 経済、環境問題などで難題に直面する中国は、本心では日中間の関係改善を渇望している。 また 対中経済関係の冷え込みは、日本経済の行く末にも大きなダメージを与える。 国内自動車販売台数が断トツの2100万台に達するなど、世界最大の消費市場中国のパワーを十分活用できず、この間、日本の経済界が被ったマイナスの影響は数十兆円に達するという試算もある。 「隣接する大国である日中両国は、ウィンウィンの関係で共通の利益を追求すべきだ」(三村明夫日本商工会議所会頭)との日本の経済界の声は切実である。 このままではアベノミクスの成長戦略にも大きく逆行する。 世界の成長センターの中核である中国と日本との経済関係を発展させることが、急務だ。 (レコードチャイナより)

オバマ歴訪後、ベトナム、フィリピンと中国との領海紛争が激化
 南シナ海の海洋石油資源を巡って2014年5月3日勃発した中国とベトナムの当局船どうし(中国船約80隻、ベトナム船約30隻)の衝突は、その後も双方のにらみ合いが続いています。 中国外務省はベトナム側が先に船を撤収しないかぎり、話し合いには応じない姿勢を示し、事態は長期化する様相を見せています。 この問題は、中国とベトナムが領有権を争っている南シナ海西沙諸島の周辺海域で中国の国有石油会社が海底の掘削作業を進めようとしたのに対してベトナム側が反発し、中国とベトナムの当局の船が複数回激突したものです。 中国外務省国境海洋事務局の易先良副局長は5月8日の記者会見で、ベトナム側が中国の作業船に故意に衝突させたと主張したうえで、「われわれは話し合いにより問題を解決する用意はあるが、その前提はベトナム側が中国への妨害をやめ、船と人員を撤収させることだ」 と述べました。 さらに、現場海域での海底石油掘削作業については、「合法的で正当なものであり、やめる理由は何もない」 として、今後も続ける考えを示しました。
 中国側の掘削作業を巡っては、アメリカや日本から 「一方的だ」として批判や憂慮の声が出ていますが、易副局長は 「中国とベトナムの二国間の問題であり、いかなる第三国も関係ない」 などと述べ、ベトナム側の強い反発に対して中国側も強硬な姿勢を打ち出したことで、事態は長期化する様相を見せています。 南シナ海に関する中国政府の研究機関、「中国南海研究院」の呉士存院長は8日、NHKの電話取材に対し、今回の掘削作業の場所は中国が軍を駐留させ、領海の基点としている西沙諸島の島の沖合で、中国の領海内に当たるという立場を強調しました。 南シナ海の領有権問題において、中国はフィリピンとは対立するがベトナムとは対立を避ける姿勢を示してきただけに、今回の西沙諸島域での石油掘削強行は唐突な印象を与えます。 これについて呉院長は、「現場の海域では10年ほど前から資源探査を行っており、その計画に従えば掘削作業の開始は当然だ。 中国当局の船は正常な資源開発を保護するためにいただけだ」 と述べ、これは従来からの計画に沿った行動だと主張しました。 
 
またそれとは別に、フィリピンは5月7日、南シナ海南沙諸島海域で中国漁船がウミガメを密猟したとして拿捕しましたが、これに対して中国は、「中国領海内での漁船拿捕は認められず、早急に漁船を解放しろ」 と息巻いています。 このように、南シナ海で中国とベトナムなどとのにらみ合いが続くなか、アメリカ軍とフィリピン軍は5月9日、フィリピンと中国が主権を争う海域に近い南シナ海の沿岸部で合同軍事演習の模様を報道陣に公開し、両軍の緊密さを強調しました。 アメリカ軍とフィリピン軍は毎年、この時期にフィリピン各地で合同軍事演習を実施しており、今回は南シナ海に面するルソン島西部のサンバレスの基地で訓練の模様を現地のメディアに公開しました。 訓練は敵に制圧された島を奪回するという想定で、フィリピン軍の指揮の下、両軍の合同部隊が海岸から上陸し、敵を攻撃する手順を確認していました。 アメリカとフィリピンは、2014年4月に両国の軍事協力を大幅に強化する新たな軍事協定を結んでおり、ことしの演習では新協定の目的の1つである海洋での作戦能力の向上に重点が置かれているということです。 また9日に訓練が行われた地域は、フィリピンと中国が領有主権を争っている南シナ海のスカーボロー礁に近く、フィリピンとしては、訓練の公開を通じて両軍の緊密さを強調し、中国をけん制するねらいがあるとみられます。
 ところでこのような最中、中国が南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島で実効支配する暗礁に大量の砂を搬入し、埋め立てにより暗礁の陸地化作戦を拡張していることが、5月13日分かった。 米国とフィリピンの両軍事筋が、共同通信の取材に対して明らかにした。 中国は既に小規模な基地を設置しており、将来は埋め立て地に滑走路の建設も可能だという。 フィリピンは、「これは暗礁を島にする異例の動きで、基地強化の一環だ」 と警戒している。 中国は最近、石油掘削作業をめぐり西沙(英語名パラセル)諸島でベトナムの艦船と衝突を繰り返し、南沙ではフィリピンの補給船の妨害を続けるなどの強硬姿勢を鮮明にしており、この陸地造成作戦実施で南シナ海の緊張がさらに高まる懸念がある
 このように、南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島付近では今月に入り、同諸島の領有権を主張するベトナムと中国の艦船の衝突が相次いでいますが、中国はこの海域での紛争について、「オバマ大統領の今回のアジア歴訪が、日本やベトナム、フィリピンなどを不用意に勇気付け、アジアに混乱をもたらしている」、と米国を非難しています。 しかしながら中越戦争を戦ったベトナムは、西沙諸島の実効支配を強める中国に対して警戒を強め、最近対中国作戦用の潜水艦をロシアから6隻購入したほどで、西沙領有権問題がこじれると中国敵視に方向転換する可能性もあります。 実際に5月13日にはベトナムは反中デモを解禁し、暴徒化したデモ隊がベトナムの中国工場などを襲撃して中国人従業員の死者や多数のけが人が出ている模様です。 2012年の中国での反日デモの暴徒化と同様で、中国政府もベトナム政府も民衆の不満の捌け口をコントロールできていないことが明らかです。
 
なお、2014年度の東南アジア諸国連合(ASEAN10ヶ国)は、5月10日にミャンマーの首都ネピドーで外相会議を開きましたが、中国とベトナムの艦船衝突で緊張が高まる南シナ海情勢について、「ASEANは深刻な懸念を表明する」 との緊急声明を採択しました。 これまではASEANの会議で対中国の非難声明は採択されたことはなかったのですが、今回の中国による石油掘削作業をめぐる中国・ベトナム艦船の衝突をASEANとしても重く受け止めたものです。 緊急声明では中国の名指しは避けましたが、関係国に地域の平和と安定を損なうような行動を避け、自制するように促しました。 この声明を踏まえて、5月11日のASEAN首脳会議でも、ASEANとしての声明を出す予定です。 ちなみにASEAN会議では、日本、中国、韓国はオブザーバーです。

中国経済
 さて、多くのエコノミストは、現在の為替水準で中国の経済力が米国を抜く時期は2020年頃とみていたが、モノやサービスのコストで換算する購買力平価(PPP)で計算すると、両国のGDPの差はすでに大幅に縮まっていることが分かった。 これは、1870年代から続く米国が世界経済を支配するひとつの時代が、もうほとんど終わったことを示している。 中国の台頭を懸念する米国にとっては、この5月1日に発表された世界銀行の経済データはショックであったろう。 
世界銀行の国際比較プログラムは、最新の購買力平価(PPP)換算の国内総生産(GDP)で、中国が2014年内に米国を抜いて世界最大の経済大国になる予測を示したからだ。
 中華帝国の夢を語る中国には珍しいことだが、「中国のGDPが米国を抜いて世界No.1になりそうなことは、単に数字のマジックであるに過ぎない」、と中国政府は謙遜している。 おそらくNo1経済超大国となれば、それにふさわしい種々の貢献を世界から求められることを警戒しているのであろう。 彼らは手で遮って否定する。 「中国は開発途上国であるだけで、世界1位の経済大国ではない」、「PPP基準の国内総生産(GDP)統計を認めることはできない」 と。 共産党一党統治国である中国の体制の正統性は、経済実績から出てくる。 そのような中国が世界の資本主義を代表する米国を抜くというのは、歓呼すべきことだ。 それでも彼らは、「いやいやそれは違う」と退く。 なぜだろうか。 彼らの主張のとおり1人あたりの所得水準で見れば、かなり隔たりがあるともいえる。 しかし海外の専門家たちは 「経済大国として当然負うべき責任を回避しようとする側面もある」 と横目でにらむ。 炭素排出の抑制、国連分担金の増額、反中国情緒などを避けようとする下心だという指摘だ。 2008年の世界金融危機の時もそうだった。 当時、米国は中国を「G2」と褒めたたえた。 世界経済回復のために貢献させたい、という意だった。 しかし中国はそのとき中国経済浮揚のために40兆円の巨額財政出動を行ったものの、「G2」という用語は拒否した。 このような中国に対して、アジア周辺国の内心は複雑だ。 隣に世界最大の経済大国が登場するのは、明らかに歓迎することだ。 成長の恩恵を共に享受できるためだ。 しかし政治・外交事案に目を向ければ話は変わる。 今でも南シナ海や東シナ海では、領有権をめぐって中国と関連国の間で緊張の波が高くなっている。 中国とベトナム船舶が衝突を繰り返し、中国はついに放水などで攻撃を始めた。 ベトナム・フィリピンなどの当事国は 「中国が力を前面に出して、根拠のない論理で南シナ海を独占しようとしている」 と非難する。 政治的に中国は、困った隣人にほかならない。 ここに米中対決構図が重なって南シナ海は今、火薬庫に変わりつつある。
  他人事ではない。 今、韓国の西海(ソヘ、黄海)には中国の違法操業船が群れをなして集まっている。 セウォル号惨事に海洋警察が投入される中、取り締まりがおろそかになった合間を利用して、中国漁船の違法操業が猛威を振るっている。 該当地域の漁師たちは、中国の漁船がはえ縄漁業で違法に魚介類を根こそぎ持っていくと怒っている。 国家的な災難に見舞われて国全体が悲嘆に暮れている友好隣国に対してするべきことではなかろう。 そこには彼らが周辺外交原則の1つとして前面に打ち出したという「包容性」などは全く見あたらない。 中国の外交当局は、「自国での漁船取り締まりが難しい」と話す。 「中国の警察力はその程度なのか。言い訳にすぎない」 という非難が韓国から出るのは当然だ。 真の大国ならば、今すぐに自国の違法操業船を取り締まりに出なければならない。 それが隣国民から尊重される1等の経済大国の姿だ。   中国は今年、米国を抜いて世界最大の経済大国になるかもしれない。 しかし周辺国から尊敬を受けられない大国ならば、それは残念な脅威の対象国にすぎない。 (韓国ハン・ウドク中国研究所所長)
■しかし、中国の人々は本当に豊かなのか
 中国の奇跡的な経済成長には驚くばかりだ。2000年以降、年間成長率は平均で10%を維持し、GDPの水準は4倍に跳ね上がった。こうした急成長により、中国が低成長の米国を追い抜くのは確実になった。中国は低価格品の世界的な供給国で、昨2013年の貿易額は米国を抜き首位に立った。人民元は世界で7番目に使われている通貨で、米国の経常収支は年5000億ドル弱の赤字なのに対し、中国は2000億ドルの黒字となっている。
 米国民は意気消沈する前に、現状を大局的に捉えるべきだ。 GDPは一国の価値の尺度として一定の効果しかない。 中国がなお発展途上国であることは間違いなく、1人当たりGDPでは米国の方が5倍豊かだ。 名目GDPでは公衆衛生、教育、環境でほとんど差がないものの、国連の人間開発指数では中国は186カ国中101位にとどまるのに対し、米国は3位につけている。
 経済的成功はほかの指標に照らして判断しなくてはならない。 生産性や投資額、グローバル企業が国内にどれだけ本社を置いているかに加え、大学や科学研究機関の規模や能力も重要だ。 この点では、中国は米国などの先進国に見劣りしている。 米国は世界の実質的な準備通貨を管理している。 中国は対外債務の大半をドルで保有しているため、ドルを印刷できるということが米国の究極の保険になっている。
 さらに、国のランキングでは経済以外の点も踏まえて判断しなくてはならない。 最近の状況が示すように、軍事力はなお国力の源といえる。 中国は大規模な軍備増強を進めているが、米国の年間の防衛予算は中国の3倍に上る。 中国は世界最大の軍を保有するが、米国の装備の蓄積と技術力は別次元だ。 中国が米国と真に肩を並べたといえるまでに、乗り越えなくてはならないことは多い。 経済的な発展だけでなく、世界での自国の立場も理解しなくてはならない。 これには制度の発展や同盟の深化が必要だが、領土や国境で強硬姿勢を強めていては、こうした状況は生み出せない。

世界への貢献が小さい超大国
 中国は天然資源と技術力をほかの国に頼っているが、世界的な枠組みでの役割は未だに比較的小さい。 米国と欧州連合(EU)は、依然として国際通貨基金(IMF)、世界銀行、世界貿易機関(WTO)を支配している。 こうした不均衡に対処する改革が遅れているのは確かだが、中国は国力が増した分だけ国際基準も受け入れなくてはならなくなる。 中国は自由が制限される一党独裁の国である点も問題だ。 これがほかの国が関与に二の足を踏む理由となっている。 最近では経済成長のペースが変わったと報じられているが、それでもなお不完全な超大国にすぎない。中国という竜が翼を広げつつあることは否めないため、この大国の台頭を国際的にかじ取りすることが、現世代と次世代の責務となる。
 だが今のところ多くの尺度に基づけば、中国は米国に追いつくにはほど遠い状況だ。  (2014年5月2日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)


 さて、英金融大手HSBCは2014年5月5日、4月の中国の景況感を示す製造業購買担当者指数(PMI)の確定値を48.1と発表した。 4月23日に公表した速報値の48.3を下方修正した。 3月の48.0は上回ったものの、景況判断の節目となる50を4カ月連続で下回っており、中国の製造業の活動状況は相変わらず弱いことがうかがわれる。 しかし一方で中国の非製造業に関してはPMI54付近であり、内需市場の好況感は強い。 PMIは、経済の先行きを示す指標として注目されており、数値が50を上回ると生産や受注の拡大を、下回ると縮小を意味する。
 ところで、不動産開発を手掛ける北方信託公司の劉恵文会長が、4月19日に自殺していたことが分かった。 同社の前身は天津経済技術開発区信託投資公司。 劉氏の自殺で、天津市や中国各地で増える新開発エリアのゴーストタウン化問題がふたたび注目されている。 天津市は2006年、「東方のマンハッタン」と称して響螺湾でビジネス特区の建設に着工した。 政府が600億元(約1兆円)を投資し、39のプロジェクト、49棟の超高層ビルの建設を開始したが、2年間の建設ラッシュの後、多くの工事は中断した。 「3割は1年以上、放置されている。ほかの建設プロジェクトもすべて止まっている」。 香港のフェニックステレビはこのように報じ、同ビジネス特区は「中国最大のゴーストタウン」と指摘した。 2014年1月の当局の統計データによると、中国でGDP第5位の天津市は、直接負債額が2246億元(約3.7兆円)で、2013年1年間の同市の財政収入の1.28倍に上る。 米国の海外向け放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は4月24日、海外中国語メディアの情報として、汪洋副首相が2月の国務院の会議で異例にも、「天津市は計5兆元(約82兆円)以上の債務を抱えており、実質上破産している」と発言したと報じた。 天津市のビジネス特区建設は当時の「北京からの産業移転」のスローガンの下で行われた。 「京津冀(北京市、天津市、河北省)」地域の経済一体化を推進する政策をめぐって、首都圏の一部機能が移転される河北省の保定市では、天津市の例を他山の石として教訓とすべきだ、と地元メディアは警鐘を鳴らしている。 ただし、このような天津市の教訓がある一方で、中国の開発ブームは一向に冷めていない。 それが現在の中国のバイタリティと怖ろしさだ。 中国当局が昨年、12省の156市を調査したところ、9割以上は新たな地区開発を計画しているようだ。 12の省の省都は合わせて55カ所の地区開発を構想しており、中には13カ所の開発を予定している省都もあるという。
7%成長確保のために再び中国は政府投資拡大へ
 中国の鉄道投資が再び急増している。 数年前、あまりに投資が急拡大して負債が激増、2011年7月には高速鉄道で多数の死者を出す事故なども発生した。 このため投資規模を減らしていたが、公約の経済成長率を7%台に維持するには鉄道などの公共投資を増やすしか方法がない。 そこで中国政府は2014年に入って一気に投資額を増やしており、ピークだった2010年に匹敵するほどの高水準になりそうだ。 中国鉄道総公司は2014年5月にテレビ電話会議を開催し、2014年の鉄道投資計画を8000億元(約13兆1040億円)以上に増やすことを明らかにした。 当初計画では6300億元だったが、4月初めに7200億元に増やし、今回さらに8000億元以上に再調整した。 2度にわたる調整で、当初計画比ではほぼ2000億元もの3割増加となる。 鉄道投資はバブル経済のピークだった2010年に約8426億元の高水準を記録したが、2011年には約5906億元にまで後退した。 その後は徐々に増やしてきたが、それでも2012年約6309億元、2013年約6638億元にとどまっていた。 2014年は4年ぶりに8000億元台に戻ることになる。
 経済成長率の低下を防ぐには結局、鉄道を中心とした公共投資の拡大しかない。 しかし過去の投資の資金返済も済んでいないところで、再び巨額投資を行うために高い金利の資金をかき集めるとなれば、投資リスクはさらに膨らもう。 報道によると、中国鉄道総公司の負債は昨年9月末で3兆元に達している。 これから返済がピークを迎えるというのに、新たな巨額投資の資金をどのように工面するのだろうか。 李克強首相は4月初めに開いた国務院常務会議で、鉄道の建設資金について財政資金以外に3つの方法があると述べている。 すなわち (1)鉄道発展基金を新設して、毎年2000億元から3000億元の社会資本を集める (2)総額1500億元の鉄道建設債券を発行する (3)銀行から融資を受ける である。 政府が使える財政資金は2割から3割程度でしかない。残りの大半は金利の高い資金とならざるを得ないので、将来大きな返済リスクを抱えることになる。(サンケイビジネスなどより)

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「韓国関連/フェリー沈没事件で政界もマスコミも手一杯になってしまったが・・・・
 日本軍慰安婦問題だけを議題とした初の韓日会談が開かれた4月16日、自他が認める韓国最高の日本専門家5人に電話で尋ねた。 「日本政府が法的責任を認めることができるか?」  しかし、帰ってきた答えはいずれも 「不可能だ」 「期待できない」 であった。 不可能で期待できない理由は説明を加える必要がない。 日本政府は、慰安婦問題は1965年の韓日請求権協定で最終的にまとまり、残ったのは人道的レベルの補償だけだという立場を曲げない。
 
 孔魯明(コン・ノミョン)元外交部長官は最近、東京で自民党では比較的穏健派に分類される政治家らに会った。 その政治家達さえも、孔元長官に日本政府が法的責任を認めるのは有り得ないことだと話した。 まして大権を取って高い人気を享受している安倍首相の考えは、言うまでもない。 安倍首相と彼を囲んだ民族主義的保守派の政治家達は、慰安婦動員に強制性がなかったと主張する。 彼らの一部は、その時その女性達は自発的に慰安婦になったという詭弁を使い、花のように美しい年齢に人間性を抹殺された女性達を人格的に2度にわたって殺めている。
  国民(クンミン)大学のイ・ウォンドク教授は、唯一残った方法は特別法でこの問題を解決することだが、安倍再執権以後の日本政界の勢力構図と、嫌韓の感情があふれる日本社会の雰囲気を見ると、特別法制定も期待し難いと話す。 ソウル大学のパク・チョルヒ政治学教授も同じ考えだ。 「日本政府が法的責任を負うには立法措置がなければならないが、安倍体制では期待できない」  これは正確な指摘だ。 政治指導者が狂的な極端主義に走る時、それを牽制できるのは健全な世論だけだ。 しかし、2012年夏の李明博(イ・ミョンバク)大統領の独島(ドクト、日本名・竹島)訪問と日本天皇の謝罪を要求する発言、日本の国際地位を引き降ろす発言を契機に 日本の世論はあっという間に嫌韓へと転じてしまった。 安倍はその波に乗って総選挙に勝利し、ゆうゆうと政権を取った。 このような雰囲気であるため、安倍首相とその追従者が歴史認識と慰安婦と独島問題に強硬な発言と妄言をするほど、彼らの人気は沸き上がる。
 
日本が民主党の天下になれば雰囲気が好転するかも知れないという期待があるが、それも難しい。 民主党も自民党も慰安婦のような敏感な問題では「草緑同色」(似たような物)だ。 良い例が、2012年2月野田佳彦首相の民主党政府の時、佐々江賢一郎元外務次官が持ってきたいわゆる3点セット提案だ。 内容は、韓日首脳が会った席で日本首相が謝罪し、駐韓日本大使が慰安婦出身のおばあさんを訪ねて行って謝罪し、日本政府予算でおばあさん達に被害補償をするというものと知られている。 その時に外交部アジア局長だった東西(トンソ)大学のチョ・セヨン教授は、その提案自体は良さそうに見えたが、その背景と経緯が問題だった、と話す。 「それは法的責任でなく、道義的責任だけ負うということだった。 政府は、その程度では慰安婦出身のおばあさんと国民を説得することは無理と考えた」。 その時韓国政府は、法的責任を負えという要求の代わりに、さらに国家責任を負えという要求を出して敷居を高め、それ以後議論が不発になった。 政府予算で補償するという条項を入れて日本の法的責任を避けようとする日本の見せ掛けの形を、当時の韓国政府は受け入れなかったのだ。 野田は8月になってから慰安婦を強制動員した証拠がないと強弁したが、どんな背景からこの提案が出たのかを雄弁に証言するものだ。
 日本で民主党政府が取った最も誠意ある措置は、2010年8月、韓日併合100周年に出てきた菅直人首相の談話だ。 それは1995年の村山談話同様に、「日本の植民地支配がもたらした多大な損害と苦痛に対し、今一度痛切な反省と心からの謝罪の思い」、を表明した。 評価に値する談話だったが、その前の村山談話に埋もれて韓国では大きく注目されないまま、そういう謝罪があったことも私たちの記憶から忘れられてしまった。 反韓、嫌韓感情が日本社会に広く広がってしまった今となっては、民主党が再び政権を取っても 菅直人談話どころか3点セット提案の水準に戻ることさえも難しく思える。
 
 孔魯明元長官によれば、日本人が韓国を見る目はもう旧植民地だった特殊な関係から淡々とした他国関係に変わってしまった。 道徳的欠陥者を道徳的に圧迫しても実益がないし、韓国も日本を道徳的にだけ圧迫するのは望ましくないだろう。
 
慰安婦問題という韓日関係のボトルネックを除去する努力は今後とも継続するものの、チョ・セヨン教授の言葉のように、当分韓日間の和解は難しいという事実と、限定的な韓日協力のみが可能だという事実を前提にして、韓国は出口戦略をたてなければならない。 結局のところ、慰安婦問題を含む過去の歴史と、経済・安保協力とを分離するツートラック方式が残る。 それが北朝鮮の絶え間ない脅威、日本の軍事大国化への疾走、米国と中国の覇権が争う、この北東アジアに位置する我が韓国の地政学が命ずる方向だ。  (中央日報 キム・ヨンヒ国際問題論説委員)

−−−2014年04月29日 中央日報/中央日報日本語版−−−
 
オバマ米国大統領は4月25日の訪韓時に、「慰安婦は、甚だしい人権侵害」と述べて過去の問題への誠意ある対応を日本に促した。 だが日本政府の関係者たちは、逆に「未来志向的な解決を韓国に促した」と解釈している。 韓日関係がどれほどこじれているか、それぞれ違う方向を眺めているかを象徴的に見せている。 だが両国の間に何か突破口を作らなければならない時だというのことで、韓日間の意見は一致している。 そこでオバマ大統領の歴訪評価とともに、今後の韓日関係の展望を両国の外交専門家4人に聞いた。
 世宗(セジョン)研究所日本研究センター主催で4月28日、東京プレスセンターで開かれたこの座談会には、申ガク秀(シン・ガクス)元駐日大使、陳昌洙(チン・チャンス)世宗研究所日本研究センター長、野上義二・日本国際問題研究所理事長(元外務省事務次官)、小此木政夫・慶応大名誉教授が参加した。

  小此木=オバマは尖閣諸島の防御義務を明確にしながらも、中国には一定部分の配慮をした。 北東アジアの3国関係を自分たちが公正に調整しようとする米国の意欲が感じられた。 そうした点でオバマ大統領が韓国で慰安婦発言をしたことは、日本としては予想していなかったショックだった。
  
申ガク秀=オバマ大統領が慰安婦問題を言及したことは韓日間においてこの問題が障害になっており、人権の面でも重大な事案であるだけに日本側に早急な解決を促したものだ。 それを前提にしてこそ未来に進めるということだ。 日本はもう少し慰安婦被害者の傷を癒そうとする象徴的な努力と謝罪をしなければならない。
◆政府・民間参加の「慰安婦財団」を
 
 陳昌洙=オバマ大統領の発言で韓日間で局長級協議も始まっただけに、慰安婦問題を解決する包括的装置を用意する必要がある。 私はこの局面で2プラス2方式を提案しようと思う。 すなわち韓日の政府と民間企業が基金を出して財団を作り、そこで慰安婦犠牲者に対する賠償もし、正しい歴史教育もすればどうだろうか。 両国がこのような決断をしなければ、この問題は永遠に続くしかない。 (コメント: 1995年頃の金大中大統領と村山首相の時に同じ主旨の提案を行い、民間と政府で賠償のための女性アジア基金も作ったが、最終的に韓国側に拒否されたのではなかったか?)
  野上=オバマは「私たちは過去を振り返ることもするが、前に進まなければならない」とも言った。 米国のさまざまな関係者に会ってみると、韓国があまりにも過去に執着しているということを共通して指摘している。 オバマはまた「安倍首相もこれをよく認識しているだろう」 と言った。 (韓国に)未来志向的に進めということだ。 結局、慰安婦問題を含めた韓日関係は、安倍晋三首相と朴槿恵(パク・クネ)大統領の2人だけで冷静に対話するしかない。 この問題は、何かメカニズム(装置)を作って解決される事案ではない。
  
申ガク秀=現実的に首脳会談がすぐに行われる雰囲気ではない。 最も大きな問題は、相手国への国民感情が現在非常に良くないということだ。 国交正常化以降、最悪だ。 これをどうにかして変えなければならない。 そのためには、関係回復のための土台を用意しなければならない。 そうでなければ(首脳が会うとしても)繰り返されるだけだ。 特に日本国内では、「嫌韓」や「反韓」といったあらゆる形容詞をつけて韓国に対する世論を悪化させているが、これは困る。 韓国はいくら対日感情が悪かったとしても、日本をそこまで卑下しはしない。
  小此木=率直に現在はどんなレベルでも妥協し難い。最も大きな理由は慰安婦問題で、韓国が日本に法的責任を要求するためだ。 慰安婦関連の協議案は、民主党の政権時期に作られたものがあるが、法的責任を除いた残りの部分は妥協できる。 そもそも慰安婦問題は韓国人が一番よく知っていると思うかも知れないが、これまでの協議過程での日本の努力についてはよく知らない人が多い。 1995年に韓国から慰安婦問題が出てきた時には、日本も共感して村山内閣でアジア女性基金を作り、日本政府も何度か公式に謝罪をした。ただしその時も法的責任については認定しなかった。 元慰安婦女性らの多くはその日本政府の謝罪と補償内容で満足していたが、彼女らの支援団体組織が日本の法的責任を糾弾したためその補償実施も不十分なままとなり、解決しない状態が続くことになったのだ。
  
野上=オバマ大統領が言及した日本の集団的自衛権について。 今回の歴訪で集団的自衛権をオバマ大統領が支持したことは、決して米国が日本の肩を持ったものではない。 これまでずっとあった話で、むしろ日米安保においてハードル(障壁)が高いと米国がかなり以前から話してきたことを、日本が受け入れたのだ。 韓国がこの問題になぜ神経を尖らせるのか理解できない。 朝鮮半島有事の際に、自衛隊が在日米軍の後方支援をすることも、韓国は拒否するのか。
  申ガク秀=韓国国民の憂慮は、日本の「意図」に関連した部分だ。 過去の問題と関連しているからだ。
  
野上=平和憲法第9条を変えようとすれば、「意図」の問題の可能性もあるが、防衛問題を持って「意図」が変わったというのは飛躍だ。
  申ガク秀=韓国国民がどんな目で見るかが重要だが、安倍政権が過去の問題について取っている態度が、韓国人の見解に影響を及ぼす。
  
陳昌洙=相手に対する不信感のために、日本が何をしようとしても批判的な目で見ることになっている。 韓日関係の改善のためには、その不信感をなくす努力が重要だ。 日本の良いイメージ、国際的貢献の良いイメージを見せるためにも、不信感をなくさなければならない。
  野上=米国や欧州など世界の世論調査を見れば、日本に対する評価は最も高い水準だ。 韓国と中国のちょうど両国だけを除いて。
  
申ガク秀=それは戦後の日本に対する評価であって、それ以前に対する評価ではないと考える。 歴史問題に対して日本が取っている態度は、戦後の日本の国際貢献に対する評価とは違う。 20世紀に起こったことをわい曲して周辺国に悪い認識を与えることが、日本にどんな利益になるだろうか。
◆政権が歴史修正に出るのは問題
 
 野上=日本に対する評価は、日本の過去に対する反省を含め日本が歩んできた実績に対する全体的な評価だ。 不規則な(不適切な)発言があるが、それはどこの国にでもある。 世界に修正主義者がいない国はない。
 
 申ガク秀=個人や学者グループとしての修正主義者はありうる。 だが政権が実際にそれ(修正主義)によって、ことを動かそうとすれば、それは問題だ。
 
 野上=今の(安倍)政権を修正主義と断定すれば、問題は解決しない。 日本の現政権を修正主義的政権だと断定している国は、率直に言って韓国と中国しかいないのではないか。 中国の海洋進出で、日本の尖閣やベトナム、フィリピンなどと中国習近平との間で係争が生じているが、韓国は中国の現状をどのように評価しているのか。
  陳昌洙=安倍首相の靖国参拝の時に、米国・欧州・東南アジアからも日本に対する非難が出てこなかったか。 そういうことは客観的な現実として認めるべきではないか。 その一方で、安倍首相は北朝鮮との交渉に積極的に乗り出している。 拉致問題解決レベルだが、韓国側から見れば米国・中国と歩調を合わせるべきだという意見が強い。
  
野上=日本としては北朝鮮と個別的にしなければならない話がある。 残念ながら、単独で対応しないわけにはいかない部分がある。 だが日本は、国際社会よりもきびしい制裁を行っている。 もし拉致問題が解決されても、(日本政府が)単独で行っている制裁はどのように(解除)するかは分からないが、国際社会での大きな枠組みから日本が外れることはない。

もはや韓国のほうが中国より製造技術が進んでいると思うなかれ。うぬぼれは亡国のもと。
 韓国大企業のリストラで売りに出された企業が中国に売却された場合、韓国の重要技術が流出すると韓国メディアなどから指摘されている。 しかし、パンテック、東部グループ仁川スチールのケースを見る限り、そうした懸念は韓国側の誤解と思える。 携帯電話端末メーカーのパンテックの経営再建作業を進める債権団は、中国の携帯電話メーカーによる関心を期待して同社の売却を進めている。 パンテックのスマートフォン(多機能携帯電話)関連技術に、中国企業が関心を示すのではないかとの判断だ。 しかし、これまでに関心を示した中国企業は皆無だという。 それどころか、債権団が中国企業に売却を提案しても反応はないというのだ。 資金難に陥り、リストラを進めている東部グループをめぐっては、東部仁川スチール単独では売却が期待できないため、東部発電唐津とパッケージ方式で売却すべきだと債権団が提案した。 しかし、東部グループ側は、別個に売却した方が高く売れるとの立場を崩していない。 東部グループが当てにしたのは中国の鉄鋼メーカーだ。 中国メーカーが東部仁川スチールの技術力に飛び付くと期待したのだ。 しかし、ふたを開けてみれば、中国からの買収提案は全くなかった。
 金融当局関係者は、「中国企業が狙っているという言葉ばかりが飛び交っているが、実質的な動きはない」と話した。 債権団関係者は、「パンテックと東部仁川スチールの現実は、中韓の企業の技術格差がほとんどなくなったことを象徴的に示している」 と指摘した。 中国企業の技術力が韓国に迫りつつあることは、さまざまな統計からも明らかだ。 韓国産業研究院によると、韓国と中国に共通する輸出3602品目のうち、30.8%は韓国製よりも中国製が高く売れている。 また、製品の品質、価格、技術を数値換算後、韓国製を100とした場合、中国製の点数は繊維で99であり、携帯電話端末と鉄鋼が93、化学製品が92で、殆ど追い付かれつつある状況だ。 韓国企業が中国より質と技術力で優位にあるという考えは、徐々に幻想となりつつある。 中国市場は激烈な競争状態だし、自国で生産できない商品に興味を示すだけだ。 そうした現実を直視せず、韓国製品優位の錯覚に安住して長期戦略もないのならば、あとは没落の道しか残されていない。 日本のソニー、シャープ、フィンランドのノキアの例が雄弁に物語っている。 パク・ユヨン記者(韓国マスコミ経済部)など

日本の貿易収支大幅赤字を他山の石に。経常収支も赤字化目前?
 「悪い円安」。 日本経済全般に悪い円安に対する懸念が高まっている。 韓国のウォン高も困ったものだが、低い円はいまや日本経済の悩みの種だ。 日本の財務省は2014年5月12日、2013年度の経常収支黒字が、1年前と比べて81.3%減の7899億円の最小値を記録したと明らかにした。 日本が関連統計を取り始めた1985年以後で最も少ないし、年間経常収支黒字が1兆円を割り込んだのも初めてだ。 円安で石油・ガスのような原料輸入価格は高くなったいっぽうで、輸出は足踏み状態のためだ。
 貿易収支のほうは10兆8642億円に達する大幅な赤字を出している。 所得収支のおかげで、やっとこさ日本は経常収支黒字を守った形だ。 日本経済新聞は専門家の分析を通じ、過去には円安により輸出が増えたが、いまでは輸入価格が急騰し輸入量も増えて、日本では貿易赤字だけが増加していると指摘した。 原発停止による化石燃料輸入額増大が喧伝されるが、それは3兆円程度に過ぎず、貿易赤字増大の本質は海外工場設置などにより日本の国内生産輸出力が衰えているせいだ、とした。
  日本の3月経常収支は1164億円の黒字を記録したが、それは市場が期待した金額の半分にも満たなかった。 昨年3月の1兆1668億円と比較すると10分の1水準だ。 日本銀行の円安誘導し輸出を復興しようとしていた思惑ははずれた。 日銀は、2013年度が貿易赤字と経常収支のボトムだろうと予測しているが、果たしてそうか? いまや貿易は日本経済に最大の危険要素に浮上した。 4月30日に日銀が今年の経済成長見通しを1.4%から1.1%に0.3ポイント下方修正した原因も、輸出不振だった。 ロイター通信は、「早ければ7月に黒田東彦日銀総裁が追加景気浮揚策を出すだろう。消費税引き上げによる景気不振、デフレ問題もあるが、本当の理由は輸出弱化だ」と 指摘した。
 ウォール街では 「日本がどの年から経常赤字に転換するか」 の賭けが盛り上がっている。 ウォールストリートジャーナルは、「BNPパリバは2015年、クレディスイスは2017年とみている」と伝えた。 貿易収支の赤字はともかくとして、経常収支の赤字化は日本にとって危機的だ。 日銀も対応策を必死になって考えてるに違いないが、果たして日銀に良案はあるのか? しばらくは日本から目を離せない。 
中央日報日本語版より


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ウクライナ情勢
 【ドネツク、モスクワ共同通信】 ウクライナ南部オデッサで2014年5月2日、親欧米のウクライナ政権支持派と親ロシア派による衝突があり、労働組合の建物では火災も発生した。 ウクライナ当局によると、警察庁舎等を占拠している親ロ勢力の強制排除により、42人が死亡した。 これは、2014年2月の政変後、一度の衝突で最多の犠牲者数となった。
 すでにウクライナ東部では、重武装の親ロ派が公的施設を占拠し、政権の統制が取れない地域が拡大している。 この混乱が南部にも本格的に波及したことで、ウクライナ暫定政権は東部と南部との二正面作戦を強いられることになる。 ロシアは混乱拡大を口実に、国境地帯に展開している軍部隊による軍事的圧力を強める可能性もあり、ウクライナ側は苦しい対応を迫られそうだ。
 国連では米国と西側諸国は対ロ経済制裁に踏み切ったが、EU内でもロシアとつながりの深いドイツとその他の国とでは制裁に対する温度差がある。 ロシアは対ロ経済制裁に反対するとともに、ウクライナ内の親ロシア勢力に死傷者が出ればロシア軍を動かす可能性を否定していない。 ウィグル自治区などを身内に抱える中国は、ウクライナ・クリミヤ問題は国連が介入せず、当事国間の話し合いで問題を解決すべきと論評している。 米国の衰退とともに国連の指導力も低下しつつあり、自国防衛は自力で考えなければならない時代に入ったと言うことであろう。

ウクライナ東部の親ロシア派は改めてウクライナから独立すると表明し、さらに2014年5月25日に行われる大統領選挙には参加しない姿勢を示しました。 ウクライナは事実上内部分断したまま大統領選挙を迎える懸念が強まっています。 ウクライナ東部の二つの州で、5月11日にウクライナ暫定政権やロシアの反対を押し切って住民投票が実施されました。 その結果を受けて親ロシア派は、独立も視野に入れた自治権の拡大について賛成がドネツク州でおよそ90%、ルガンスク州でおよそ96%に達した、と発表しました。 親ロシア派の幹部は、「4月7日に樹立を宣言した『ドネツク人民共和国』は住民の承認を得た」 と勝利宣言し、ウクライナから独立する方針を改めて表明しました。 またロシアへの編入を実現するために今後ロシア政府への働きかけを強めることと、独自の軍を創設して暫定政権と武力で対抗する姿勢を打ち出しました。 さらに、5月25日に行われるウクライナの大統領選挙には参加せず、欧米も交えた暫定政権側との対話についても拒否する姿勢を示しました。
 ウクライナの大統領選挙は2月政変以降の混乱を収拾するために暫定政権が主導していますが、親ロシア派との対立は深まる一方で、事実上分断したまま大統領選挙を迎える懸念が強まっています。 この住民投票に関しては欧米諸国は国際法に違反するとして実施自体を認めて居らず、ロシアもさらなる経済制裁を嫌がって実施に反対していました。 しかし、親ロシア派はこの住民投票結果に意気が上がっており、ウクライナ東部の他の州にも住民投票が広がってゆく可能性があります。 住民自治の結果という後ろ盾により、ウクライナ暫定政権も軍による親ロシア派の排除はやりにくくなり、異民族問題を抱える国際社会でも困惑が広がりそうです。

−以上−

2014年5月15日
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