食品バイオ2題:高知大学と同仁化学研究所で高血圧抑制食品機能評価セット開発。/農水省開発の花粉症用遺伝子組み換えコメ実用化は薬・食品化困難。

「食品バイオ2題:高知大学と同仁化学研究所で高血圧抑制食品機能評価セット開発。/農水省開発の花粉症用遺伝子組み換えコメ実用化は薬・食品化困難」


「高知大と同仁化学、高血圧抑制の効果測定キットを開発」
 高知大学は、試薬の製造販売を手掛ける(株)同仁化学研究所(熊本県)と共同で、食品の高血圧抑制効果を簡単に測定できる溶液キットを共同開発し、2009年2月に同社が発売した。魚介類、肉、野菜、果物など1次産品や加工品の高血圧抑制効果測定が可能という。

 特定保健用食品の開発などに役立つとみており、地場産品の高付加価値化を目指す地域の研究機関のほか、大手企業の品質管理などの需要も掘り起こしたい考え。商品名は「アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害活性測定キット」。価格は7万1400円。初年度は100セット以上の販売を目指す。

 高知大の受田浩之教授の研究グループと同仁化学が、新しい合成基質(酵素の作用で化学反応を起こす物質)を開発し、溶液キットにした。食品に同基質を含んだ溶液を加えるなどして色の変化で効果を測る。測定時間は70分程度。 血圧が上がる作用をもたらすACEを阻害する効果を、食品の成分がどれだけ持っているか測定。「マイクロプレートリーダー」と呼ぶ測定装置で色の変化を測る。

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「農水省開発の花粉症に効く米はお蔵入り。商品化に企業が二の足 2009年2月」

 茨城県つくば市の農業生物資源研究所花粉症の症状を和らげる遺伝子組み換え米の開発が立ち往生している。花粉症緩和米は、アレルギーの原因となるスギ花粉に含まれるたんぱく質の遺伝子を人工的にコメに組み込んだ新品種。コメを食べながら、徐々に体をアレルギーに慣れさせることで、症状緩和の効果が期待できるという。 背景にはこのコメが厚生労働省から医薬品だと指摘されたことや、遺伝子組み換え技術への不安があるようだ。農林水産省が補助金を出して後押ししてきたプロジェクトだが、お蔵入りする可能性も出てきた。  

 農水省は2004〜2007年度に独立行政法人・農業生物資源研究所(つくば市)と日本製紙(株)による研究プロジェクトに計6億7千万円を投じ、四国などの隔離農場で栽培してネズミやサルへの実験を続けてきた。その結果、普通のコメを食べたネズミと比べて緩和米を食べたネズミはくしゃみの回数が3分の1に減るという効果も確認された。

 農水省などでは当初、健康に良い特定保健用食品(トクホ)として商品化する想定だったが、厚労省は2007年1月「花粉症の原因物質の遺伝子をコメに組み込むことは治療目的そのもの」として医薬品として開発するよう指摘した。 医薬品となると、ヒトへの臨床試験を繰り返し、効能や副作用の有無、服用する適量を厳密に調べる必要がある。さらに、新薬として認可を受けるには、ヒトへの臨床試験のノウハウをもつ製薬会社の協力が不可欠とされる。

 厚労省の指摘後、同研究所は共同開発する製薬会社を探したが、コメのような日用食品が医薬品の認可を受けた前例がなく、臨床試験には数十億円規模の費用も必要とあり、1社からも名乗りが上がらないという。このため、農水省は2008年度、花粉症緩和米への補助金を凍結。同研究所は今年度、独自の予算で栽培を続けたが、2009年度は栽培も一時休止することになった。緩和米の玄米や種籾を残し、パートナーが現れるのを待つ構えだ。

 農水省や研究所側には、国民的な病に効く技術開発で、遺伝子組み換え技術への消費者の不安を解消する狙いもあった。今回、製薬会社が二の足を踏んでいる背景にも、遺伝子組み換え食品が消費者に受け入れられる商品になるか見通せない、という企業判断があるとみている。

 同研究所遺伝子組換え研究推進室では「普及すれば、貢献できる技術という自負はあるが、まだ社会的に受け入れられる状況にない」と嘆く。実用化しなければ、つぎ込まれた税金が無駄になるだけに、同省の農林水産技術会議事務局では「今後も実用化への努力を続けたい」としている。

2009年3月2日

2009年3月2日
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